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ケイト・ブランシェット インタビュー

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 ケイト・ブランシェット インタビュー
 


1人の霊能者には、アルコール中毒の役を演じる映画に 出てはいけないって言われたの
スリラー映画『ギフト』で、オーストラリア人の女優ケイト・ブランシェット が予言的能力を持つ南部の女性を演じているが、霊能者としての仕事が彼女を暗 闇の世界へと導いていく。31歳のブランシェットは、役作りのために実際に霊能 者の仕事をしている人たちに会っている。彼女がそこで聞いた事は、思いがけな いことだった。

「1人の霊能者には、2人のボディーガードが必要になるって言われたけれど、 実際は必要になっていないわ。もう1人の霊能者には、アルコール中毒の役を演 じる映画に出てはいけないって言われたの」

『ギフト』の脚本は、俳優でもあり、また『スリング・ブレイド』でアカデミー 賞脚色賞を受賞した脚本家でもあるビリー・ボブ・ソーントンが書いている。ブ ランシェットが演じるアニー役は、霊能者である彼の母親がモデルになってい る。ブランシェットはこういった占いビジネスには何か共通したものがあるかも しれないと思ったという。 「私が会った霊能者の1人がこう言ったの。この能力は性的なエネルギーと一緒 で、使わなければ夢に出てくるのよ」。それでもハリウッドの何人かの占い師を 訪ねて言われたことには、あまり納得がいかなかった、とブランシェットは言 う。

「ロスの霊能者のところに行った時、自分が俳優だということを一言も言わなか ったのに、10分か15分くらいそこにいたら、何となく商売っぽいなって思えてき たの」。

またブランシェットは、Tinseltown(ハリウッドのこと)での名声と運 命をもっと現実的に予言するショウビジネスの業界紙を引き合いに出してこう言 った。

「たぶんここの霊能者たちは、手相を見てもらいに来る人たちは、みんな自分が 成功するかどうかを知りたがっている俳優だって決めてかかっているのよ」

南部のアクセントってオーストラリアのアクセントみたいなの

 ブランシェットが今後も成功していくであろうことは誰がみても明らかだ。彼 女は97年の『パラダイス・ロード』で女優としてデビューしている。それ以降、 実にさまざまなジャンルの映画の役柄を見事に演じている。ブランシェットは、 98年の『エリザベス』でエリザベス一世の役を演じ、そのカリスマ的な演技で高 い評価を受けた。彼女はこの役でゴールデン・グローブ賞を獲得し、またアカデ ミー賞の主演女優賞にもノミネートされたが、結局この年はグウィネス・パルト ロウが受賞した。『エリザベス』の後、ブランシェットは『リプリー』で1950代 の粋な社交界の令嬢を、また『理想の結婚』ではヴィクトリア朝の貴婦人を演 じ、『狂っちゃいないぜ!』ではニュージャージーに住む主婦の役で同じように 説得力のある演技を見せた。途切れることなく、今度は『ギフト』で最南部に住 む女性の役をリアルで完璧な南部アクセントで楽々と演じている。アニーの南部 なまりを習得するために、ブランシェットは

「よくスーパーマーケットでうろう ろしていたわ。それとよく教会で時間をつぶして、人の話を聞いていたの。南部 のアクセントってオーストラリアのアクセントみたいなの。もちろんお決まりの 言い方はあるけれど、この映画では安易にそれを使いたくなかった」

『ギフト』は暗く憂鬱な、そしてハラハラさせるようなスリラー映画で、南部の ゴシック派の文学と40年代のフィルムノワール映画の雰囲気をかもし出してい る。映画の内容はありふれた話のように感じられるが、全体的な効果は意外で、 どこか衝撃的な作りになっている。それはたぶん選び抜かれた才能豊かな俳優た ちが出演しているからだろう。ブランシェットと共に主演を演じている2人は、 おそらく映画で共演するとは思いもよらないような俳優だ。ヒラリー・スワンク (『ボーイズ・ドント・クライ』)が虐待されてアニーに助けを求めてくる妻の 役で、そしてキアヌ・リーヴスがいつも妻を虐待する凶暴な夫の役で出演してい る。『死霊のはらわた』のサム・ライミ監督による『ギフト』には、さらに共演 が珍しい組み合わせが出演している。グレッグ・キニアは高校の校長役、人気テ レビドラマ「ドーソンズ・クリーク」のケイティ・ホルムズは校長のふしだらな フィアンセ役。キャストの締めくくりはジョヴァンニ・リビシで、ノイローゼ気 味の車の整備士役を演じている。

私にとって最も特別な出来事は、主人と出会ったことよ

ブランシェットは家庭を大切なものだと言う。97年には脚本の監督であるアン ドリュー・アプトンと結婚した。すぐに幸せな家庭生活に入れることを望んでい たが、彼女が『エリザベス』での長期にわたる撮影が始まってしまったために、 それができなくなってしまった。それ以降、2人はなるべく一緒の時間を過ごせ るようにしているようだ。

「たぶん私にとって最も特別な出来事は、主人と出会ったことよ。今まで起こっ たことの中で一番良かったと思っているわ」  

ブランシェットがこれから出演する映画から察するには、彼女が自分の才能を 生かすようなスター的な役柄よりも面白い物語の作品での役柄を選んでいくこと は明らかだ。彼女は"The Man Who Cried"で、ジョン・タトゥーロとクリスティ ーナ・リッチの相手役としてキャバレーのロシア人ダンサーの役を演じている。 つい最近は、"Heaven"でイタリアの刑務所でのテロリストの役を演じるために頭 を丸坊主にした。ブランシェットはこれから公開される3つの映画に脇役として 出演するが、これらの映画でも間違いなく大きな注目を集めることだろう。

主人は私が歴史劇向きの耳をしているって言うのよ

J.R.Rトールキン原作のクラシック・ファンタジー『指輪物語』が、ピータ ー・ジャクソン監督によって映画化されるが、そのかなり野心的な3部作の中 で、ブランシェットはエルフ(妖精)の女王役を演じている。彼女が出てくるシ ーンの撮影には1ヵ月くらいしかかからなかったが、これらのシーンは2001 年、2002年、2003年に公開される3部作の中で使われることになってい る。ブランシェットは、エルフの君主の役を演じるのは新しい挑戦だったけれ ど、妖精に扮するための人工装具を身につけてからは役作りもそれほど難しくな かったと言う。

「妖精の耳をつけたら、それから後は演じるだけよ」。この『指輪物語』の3部 作に出演するにあたって、ブランシェットはまた新しいアクセントを習得するこ とになった──それも全て架空のアクセントだ。

「映画の中ではエルフ語(妖精の言葉)を話すんだけど、ケルト語にウェールズ 語が少し混ざったような言葉なの。実際にエルフ語の専門家や会話のコーチがい るからいろいろと教えてもらったわ。エルフ語はとても美しい言葉だと思うわ」

 この役は比較的小さな役だが、それ自体は全く気にならなかったと言う。

「こ の映画にすごく出たいと思ったし、それにピーター・ジャクソン監督と一緒に仕 事がしたかったの」。

さらに彼女の夫にも「これ以上君にピッタリの役はないと 思う」と言われたそうだ。

「彼は私が歴史劇向きの耳をしているって言うのよ」

とブランシェットは笑いながら言った。

(ジョシュア・ムーニー/訳 跡部直 子)
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