
ウィル・スミス&トミー・リー・ジョーンズ共演の人気SFシリーズ10年ぶりの新作、ティム・バートン監督&ジョニー・デップが8度目のタッグを組んだダーク・ファンタジー、ジョージ・クルーニーがアカデミー賞候補になった家族ドラマなど、えりすぐりのラインナップを紹介。

インドから『トランスフォーマー』も真っ青のロボット映画がやって来た! 何がスゴイって、全編にほとばしる異様なテンションの高さ、そして「SF、アクション、ロマンス、友情……とにかく詰め込めるだけ詰め込んでみました!」という過剰なまでのサービス精神。天才博士が感情を持つロボットを発明。しかし、そのロボットが博士の婚約者に恋したことから悪の道に。いつしか博士とロボットは敵対関係へと転じ……と、ストーリーは至ってシンプルだが、奇想天外な攻撃を仕掛けるロボットのミラクル大作戦に興奮しっぱなし。数百体ものロボット軍団が球体、ヘビ、ドリル、巨人へと姿を変えるクライマックスには爆笑、あっけにとられながらも、次はどんな技を繰り出すのかとワクワクさせられる。『マトリックス』『ターミネーター』など数々の名作SF映画へのオマージュ(あるいはパクリ)は、SF映画ファンにはたまらないだろうし、見終えたあと話が大いに盛り上がること必至のデートムービーとしておススメしたい。(編集部・石井百合子)



ここまで三枚目のジョージ・クルーニーをかつて見たことがあっただろうか? 本作は、ハワイ在住の作家 カウイ・ハート・ヘミングスのデビュー作「The Descendants」を原作に、映画『サイドウェイ』でアカデミー賞脚色賞を受賞し、本作でも同賞を受賞した名匠アレクサンダー・ペイン監督が長編としては7年ぶりにメガホンを取ったコメディー要素のあるヒューマンドラマ。ジョージはカメハメハ大王の子孫で弁護士の主人公マットを演じているのだが、仕事人間で、ほったらかしにしていた家庭と向き合わざるをえない状況が、意識不明となった妻の事故という形でやってくる。言うことを聞かない年ごろの娘と幼い妹に振り回されながらも、何とかきずなを取り戻そうとする最中、妻が浮気をしていたことが発覚。家庭崩壊の危機に直面し、「あー、もう!」と感情むき出しでダメなおやじぶりを熱演するジョージがどこかかわいいのだ。雄大で美しいハワイのロケーションとは対照的ともいえる、複雑な事情を抱えた人間味あふれるキャラクターづくりに成功したジョージの演技あってこそ、作品の根底に流れる感動が浮き彫りになる。娘役のシャイリーン・ウッドリーとアマラ・ミラーが原石の輝きを放ち、涙を誘う熱演を披露しているので、ハンカチのご用意を!(編集部・小松芙未)



ジョニー・デップとティム・バートン監督が8度目となるタッグを組んだ本作は、バートン監督の集大成といえる怪奇趣味全開のヴァンパイアもの。フリークスゆえの悩みや家族のきずなといった、これまでの作品で核となっていた要素がこれでもかと詰め込まれているのに加え、舞台となっている1970年代当時のロック・カルチャーからの引用が随所に織り交ぜられているのもポイント。そうした視点からだと、ヴァンパイアの蒼白な顔色は白塗りメイクを思わせ、血液を入れ替えるエピソードはザ・ローリング・ストーンズを連想させる。そして、アリス・クーパーのカメオ出演! テレビシリーズのリメイクであることも含め、1958年生まれのバートン監督が思春期に好きだったものをとにかく集めたかのように雑多で、それでいておもちゃ箱のようなきらめきに満ちた本作。近年のバートン作品は物足りないと思っていた人にこそ観てほしい作品だ。(編集部・福田麗)



ハリウッドで成功を収めたものの、いろいろと悩みを抱えている主人公の脚本家が、崇拝する芸術家たちが生きていた1920年代のパリにタイムスリップするというストーリー。本作の特徴として1920年代に主人公が導かれるまでの流れが美しいことが挙げられる。また、オーウェン・ウィルソン演じる主人公が稀代の芸術家や作家に対し子どものように胸をときめかせるさまも、もし普通の人が実際にあこがれの歴史上の人物と遭遇したら、こんな感じになるだろう……と思わせる、観客の代弁者を務め上げている。一時自殺未遂騒動で、今後の展開が危惧(きぐ)されたオーウェンの実質的な復帰作と呼んでも過言ではないかもしれない。また冒頭のパリの風景をはじめ、1920年代の古風な景色や衣装など、ウディ・アレン監督のパリ愛がスクリーンからにじみ出てくるようだった。本編全体からすると出番が多くはないが、主人公の婚約者を演じるレイチェル・マクアダムスのかわいらしい演技にも注目してほしい。(編集部・小林裕介)


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