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『V フォー・ヴェンデッタ』ヒューゴ・ウィーヴィング 単独インタビュー

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『V フォー・ヴェンデッタ』ヒューゴ・ウィーヴィング 単独インタビュー

取材・文・写真:FLIXムービーサイト

ナタリー・ポートマンが丸刈りになったことでアメリカでも大きな話題を呼んだ『Vフォー・ヴェンデッタ』がついに日本でも公開された。映画の鍵を握るキーパーソン、仮面の男“V”は劇中、一切その仮面の下の素顔を見せない。そんな難役に挑戦したのは、『マトリックス』シリーズで注目を集めた“エージェント・スミス”役のヒューゴ・ウィーヴィング。今回は、サングラスの代わりに仮面をつけた彼に話を聞くことができた。

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イギリス的にしゃべる

ヒューゴ・ウィーヴィング

Q:マスクをつけて演じることで一番難しかったことは何ですか。

表情が1つしかないマスクだったから、マスクに命を吹き込むことが一番難しかったかな。セリフも多いし、ずっとマスクをつけているからね。僕がこの役を演じる前に、ほかの俳優がキャスティングされていたんだけど、彼の演技を見て、マスクが静止すると魂が抜けてしまい、動きが大げさすぎると見ている側の注意がそれてしまうのが分かったんだ。だから、強調すべきところでマスクを微妙に動かすようにした。それ以外は、"V"の信念がマスクに命を吹き込んだのだと思う。

Q:声がとてもセクシーでしたね。

イギリス人の役だからね。彼は自分を演じてみせる人物で、言葉を愛するイギリス人だから、ああいうしゃべり方にしたんだ。僕は昔、イギリスに住んでいたことがあるから、あのアクセントはそんなに難しくなかったよ。僕も言葉を愛しているしね。

Q:あの声のトーンは、どうやってつくりあげたんですか。

イギリス的でなければいけないという以外はあまり考えなかった。後は、しゃべっている言葉を楽しむ感じにしたくらいかな。

最初の俳優は降板

ヒューゴ・ウィーヴィング

Q:役作りにはどれくらいの期間があったんですか。

ほとんどなかったんだ。最初に脚本を読んだときには、ほかの映画の予定が入っていて、役を引き受けられなかった。それでほかの俳優がキャスティングされて撮影が始まったんだけど、3週間くらいでその俳優が降板することになって、声がかかったんだ。僕はちょうどほかの映画の撮影が終わったところだったんで、「どれくらいでベルリンに来られる?」と聞かれて、4日で駆けつけたよ。到着して2、3日で撮影が始まった。だから準備期間はほとんどなかった。

※「降板した俳優」とは、『ROCK YOU! [ロック・ユー!]』などに出演していたジェームズ・ピュアフォイ。ヒューゴいわく、「彼は、あんまりハッピーじゃなかったみたいだね……」とのこと。

Q:マスクで顔を隠さなければいけない役に不満はなかったんですか。

いや、それはなかった。俳優の仕事は自分をスクリーンに映し出すことではなく、キャラクターに魂を持たせることだと思っているんだ。自分自身も、「僕を見て!」っていうタイプの俳優ではないからね(笑)。むしろとてもハッピーだったよ。"V"がなぜマスクをつけているのか、それが何を意味するのかを、観客に見せることが大事だと思いながら演じたよ。

Q:“V”を演じるにあたり、自分で想像したキャラクターの背景などはありますか。

あまり大したことは考えなかったけど、彼は俳優というか、演技者だと思った。舞台で政治劇を演じるようなね。

暴力は、理解できても賛成はできない

ヒューゴ・ウィーヴィング

Q:マスクをつけての演技は大変だったと思いますが、撮影はいかがでしたか。

撮影は楽しかったよ。準備期間がなかったのも幸いしたと思う。考える時間がないと自分の本能を信じてとっぴな行動をとったりするだろう。それが逆に面白かった。撮影も楽しかったし、あのマスクに人間味を持たせるのも楽しかったよ。

Q:ナタリー・ポートマンとの共演はいかかでしたか。

僕は撮影に遅れて参加したから、彼女にとっては大変だったと思う。最初は、ほかの俳優を相手に演じていたのが、途中で代わったんだからね。でも、とても温かく僕を迎えてくれたよ。彼女はとても知的で、優しい、すてきな子だった。

Q:“V”というキャラクターに共感しますか? 劇中で“V”が起こす行動に対するあなたの意見を聞かせてください。

うーん……。“V”の魅力的な部分は好きだけれど、僕は暴力には賛成できない。いつだってほかにもっといい方法があると思うからね。でも、暴力でしか変化をもたらすことができないと思っている人がいるのも確かだ。“V”は拷問を受けたという複雑な過去があって、彼が暴力に走るのは分かる。今のパレスチナの人々がそうであるように、暴力で意思表示をするのは理解できるけど、賛成はできないよ。未来のために一番いい方法とは思えないからね。

ナタリーとの絡み(ここから先は、映画を観てからどうぞ!)

ヒューゴ・ウィーヴィング

※ここから先のインタビューはネタバレ要素が含まれています。映画をご覧になられていない方はご注意ください!

Q:ナタリー・ポートマンの頭を本当にそったんですか。

そりたかったけど、ダメだって言われたんだ。ヘアスタイリストがちゃんと、そったんだけど、そり終わったあとにすぐに走っていって頭を触わらせてもらったよ(笑)。

Q:ナタリーの頭を水の中に突っ込んだのは?

あれはやらせてもらえた(笑)。全部で4、5回はやったかな。バケツの底がガラスになっていて、そこからのショットの撮り直しが一番多かった。正しい位置に、ナタリーの顔を沈めなければいけなかったからね。深く突っ込みすぎたり、浅すぎたり、水が揺れすぎてうまく撮れなかったりしてね、何テイクかやったよ。


通訳に、一生懸命「ありがとうございます」と「ありがとうございました」の違いを聞いていたヒューゴ。「日本は大好き!」と語る彼は、その日の夕食に予定されている鉄板焼きを早くも楽しみにしていた。“V”や、“エージェント・スミス”のちょっと怖いイメージと違い、ほほ笑みながらゆっくりと話す姿がとても紳士的だった。

V フォー・ヴェンデッタ』は4月22日より渋谷東急ほかにて公開中。

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