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新興宗教から逃れるべく、極左団体へ入団!園子温監督のすごい映画制作秘話!

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極左団体へ入団しました。園子温監督
極左団体へ入団しました。園子温監督 - Photo:Nobuhiro Hosoki

 現在開催中のSubway Cinema主催N.Y.A.F.F(ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバル)に出席した園子温監督が、出展されている映画『愛のむきだし』について語ってくれた。本作は実話をベースにした究極の純愛物語。盗撮、パンチラ、勃起、レズビアンなどのキーワードが盛り込まれているのも話題だ。

映画『愛のむきだし』

 20年前に知り合った盗撮のプロの体験談をベースに作られているらしいのだが、どういった経緯で知り合ったのだろうか? 「彼が盗撮マニアだということを、気付かないまま知り合いになって、若いころは自主映画を撮っていたんです。付き合っていく中でその人の本性がわかって、しばらくしたら彼の妹が金目当ての邪教に入会したって話を聞いたんです。彼は必死で妹を脱会させたんですが、その話の中で『あの宗教もヤバいけど、妹もヤバい!』と盗撮癖のある正常じゃない彼が言ったんですね。それが面白くって、脚本のネタにしたら4時間超えの映画になってしまったと……。骨組みだけは彼の話なんですが、ほとんどは僕が作ったものですけどね」とのことだ。

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 映画では、新興宗教が扱われているが、リサーチのためにとある宗教団体に入信したという園監督。「潜入捜査も兼ねて入信したんですよ。だから劇中の描写っていうのは、ほとんどが実在するもので。なおかついろいろな宗教から取り出して混ぜているんですよ。それは1つの宗教団体が僕の映画を訴えたり、攻撃できないようにするためですね。でも全部本当に起きていることを抜き出していますから」と驚きのコメントが。さらに「脱退した後は、成田空港で闘争をやっていたとある極左団体に入ったんです。それまでは、新興宗教団体から脱会した後、結構しつこく追いかけられていたんですね。だから、もっと毒のある団体に入団したら、彼らは追ってこないだろうという考えで。でも極左団体も結構毒だったので、またそこを抜け出すのが大変で、最後は自衛隊にでも入ろうかと思ったくらいです(笑)」と過激な調査のいきさつを教えてくれた。

 劇中での盗撮方法については「ほとんど僕の創作なんです。実際は、もっと生臭い手法がいっぱいあるんですよ。まめカメラを仕込んだりするようなことですね。ただ、それを描いてしまうと観客が引いちゃいますから」と盗撮を描く上で苦労があったようだ。

 親からの愛の欠如について「今回は、極端にそれを扱っていますが、基本的に今現代の子どもたちは、精神的に阻害されていると思うんです。親が健全であってもということですね。親がアル中とか離婚したということがなくても、阻害されているんですよ」と園監督ならではの思いを語ってくれた。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)

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