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政府から5年間の映画製作禁止令!パナヒ監督の新作にヴェネチア1,700席が満席!

第67回ヴェネチア国際映画祭

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ジャファル・パナヒ監督の新作『アコーディオン』(原題)
ジャファル・パナヒ監督の新作『アコーディオン』(原題)

 今春イラン政府に「不特定の犯罪」で拘束されたジャファル・パナヒ監督の新作映画『アコーディオン』(原題)が現地時間1日、第67回ヴェネチア国際映画祭で初披露された。パナヒ監督は反政府運動を支持していることなどから2006年の映画『オフサイド・ガールズ』以降、映画が作れない状態が続いている。わずか9分の短編ながら4年ぶりの新作に、1,700席の会場は満席となった。

第67回ヴェネチア国際映画祭コンペ作品

 『アコーディオン』はパナヒ監督が拘束前に、家族など15人のスタッフで製作。アコーディオン演奏で生活費を稼いでいた少年と少女だったが、神聖なモスクの前とは知らずに演奏していたことから、怒った男性にアコーディオンを取り上げられてしまう。必死で男性を捜した少年たちが、友好的にアコーディオンを返してもらうまでを描くヒューマンドラマだ。

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 映画祭側は今回、パナヒ監督が現地入りできるように働きかけたが、今年5月に解放されたとはいえ国外出国は認められずに断念。代わりにパナヒ監督は映画祭にコメントを寄せた。

 その内容は「私は政府から、公式に5年間の映画製作の禁止を命じられてきました。映画作家が映画を作れない状況というのは、精神的に監禁されているのと同じです。しかしヴェネチア映画祭をはじめとする世界中の映画製作者たちが、私が投獄されている間、サポートしてくれたことを感謝します。投獄は私にとって忘れられない経験でしたが、世界中の映画を愛する人たちが、文化の相違を超えて、一つの声を上げるために団結してくれたことは、私にとっては甘い果実が実を結んだかのように思えました。私が獄中で絶望的になり、ハンガーストライキをしているとき、こうして世界中の人が結びつき合えたことを誇りに思うことで、プロの映画監督としての威厳を保つことができたと思ってます。世界中の政府がいつか、映画作家の自由な表現の権利について話し合われるようになることを願いましょう」というもの。このメッセージが関係者から代読されると、会場から大きな拍手が沸き起こっていた。(取材・文:中山治美)

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