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清水国明、被災地の子どもたちを河口湖のアウトドア施設に受け入れ 涙ながらに複雑な胸中を吐露

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子どもたちに笑顔を……、自然に囲まれて暮らしている清水国明夫妻
子どもたちに笑顔を……、自然に囲まれて暮らしている清水国明夫妻

 山梨・富士河口湖町で総合アウトドア施設「森と湖の楽園」を経営しているタレントの清水国明が、被災地から受け入れを行っている子どもたちへの思いを語った。
 
 清水の自宅を併設する、「森と湖の楽園」では、被災されたご家族を安心安全な場所に招いてゆっくり休養してもらうこと、そして、大震災で傷ついた子どもたちの心を、自然体験プログラムを通してケアし、生きるチカラを育むことを目的とした、“生きるチカラ”キッズキャンプが行われており、現在は30名から50名の被災者家族と子どもたちが生活している。清水は、NPO法人河口湖自然楽校の代表理事の清水国明としてこの活動に取り組んでいる。施設内のアスレチック広場では、この日も清水が受け入れている被災地の子どもたちの笑い声が響き渡っていた。

 清水が被災地から子どもたちを受け入れることを発表したのは、震災から一週間後のこと。「自然の中でいっぱい遊びまわって、少しでも悲しいことを忘れて欲しい」そんな思いで、被災地から親子、子どもたちを河口湖に招く決心をした。とはいえ、最初にやってきた親子は、2組程度。「一体どんなところかも分からないのに、突然来てください! なんて言われても、戸惑っちゃいますよね。でもここに来た子どもが、被災地に戻ったときに楽しかった!って言ってくれて、口コミでどんどん広がったんです」。河口湖を訪れたくても交通手段がない、という意見を聞くと、週に一回、河口湖から被災地まで子どもたちを迎えに行くことを決めた。もちろんバスには、たくさんの救援物資を積め込んだ。

 福島の原発事故が起こった後、清水は外で思うように遊べない生活をしている子どもたちを迎え入れているが、なかには、親と一緒に参加することができない小さな子どもたちもいる。「向こうに迎えに行ったときにね、親とバイバイするときに大泣きするんです。僕の膝の上で泣き叫んでる子どもをみて、正直“大丈夫かな……”とものすごく不安にもなりました」という清水の不安をよそに、現地に着いた子どもたちは、お友だちとアスレチックで遊ぶうちに大はしゃぎ。震災で受けたショックや、悲しい出来事を埋めるように、子どもたちは汗びっしょりになって走り回る。「夜になれば、写真を見て泣いている子もいます。ボランティアは、ひと部屋に一人必ずいてもらって子どもたちの様子をいつも見守るようにしています」と清水が言うとおり、ボランティアのお兄さんやお姉さんと、しっかりと手をつないだ子どもたちがたくさん見られた。キャンプ場では、年長さんほどの男の子が、「おやつのゆで卵ちょうだい! これで3個目だけど、ちゃんと卵産むからさ!」と話し、ボランティアのお姉さんを大笑いさせていた。誰もが、楽しそうな笑顔を見せていた。小さな赤ちゃんを抱いたお母さんは、避難所で毎晩夜泣きに困らされていたそうだが、ここに移ってきてからは夜泣きもすっかりおさまったという。清水は、「安心して、ほっとしたお母さんの気持が、きっと小さい赤ちゃんにも伝わるんだろうと思います」と話す。

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 子どもたちを見守りながらも、どうにもならない無力感に襲われることがある。「キャンプキッズの滞在期間は自由です。ここで河口湖にある小学校などに転入する子もいますが、なかには2週間滞在したあと、また被災地に帰っていく子がいます。本当は、ずっとここにいさせてあげたいけれど、一律に始まってしまう小学校の問題や、いろいろな事情があるので。そんな子どもたちは、被災地に帰っていくとき、“行ってきます”って言うんです。本当に素直で明るい、福島の子どもたちをまた、原発の近くに帰すのはつらすぎる」と、清水は言葉を震わせた。河口湖周辺の教育機関は、転入生の受け入れを進めており、森と湖の楽園まではスクールバスも手配されるという。避難をちゅうちょしている親に向け、清水は自身のブログでも「大丈夫です。ここでのびのび、すくすくと、子どもたちは成長し、立派な大人になってくれますよ。(中略)まずは、ショートスティでいいですから、来てみてくださいな。みーんなで待ってますよ。」と呼びかけている。

 親に心配をかけないようにと、避難所でずっと我慢しつづけてきた子どもたちと向き合い、彼らの悲しみをそのまま受け入れてきた。3歳の国太郎くんの幼稚園の入学式、両親と手をつないでうれしそうにしている子どもたちの笑顔が、キャンプに参加している子どもたちに重なり、涙が止まらなくなった。「ぼくは、売名行為だとか、今さら誰にどういわれてもいいんです。なかには震災をネタに金儲け、といってくるひともいますが、生きるためにはお金も必要です。お金を集めるために、チャリティーイベントも、募金もします。子どものためならどんな汚れ役でも引き受ける。それが親というものでしょう」と語る清水は、これからも長期的に子どもたちの受け入れを続けていくつもりだという。(編集部:森田真帆)

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