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メリル・ストリープのサッチャー英元首相像に、原作者が「歴史に忠実でない」とダメ出し

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メリル・ストリープ、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』の巨大ポスターの前でポーズ
メリル・ストリープ、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』の巨大ポスターの前でポーズ - Fred Duval / FilmMagic / Getty Images

 メリル・ストリープがイギリス初の女性首相マーガレット・サッチャーを演じた映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で、この映画がもとにした本の著者が、映画が史実を正しく描いていないと語っている。

映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』場面写真

 本作がベースにした伝記本「ジ・アイロン・レディー」の著者、ジョン・キャンベルはデイリー・テレグラフ紙で、映画でのサッチャーの描かれ方について疑問のコメントを寄せている。キャンベルは、「こういった類の映画では、サッチャーの人物像について、様々な問題にひとりきりで立ち向かっている優れた人物として簡単に脚色してしまう。サッチャーの側近で外相だったジェフリー・ハウやその他の同僚たちについては触れられず、ほかの政治家たちが彼女に打ちのめされてマヌケに見えてしまう」とコメント。「映画にはたくさんの男性が出てこないから、真実味が伝わってこない。まるでソビエト連邦を崩壊させたのは彼女ひとりの功績だったかのように見えてしまう。それは歴史を短絡化しすぎているし、サッチャーに集中しすぎだ。メリルの話し方など、詩的な表現が多すぎる。男性は重要な役割を与えられておらず、特にハウ元外相は弱弱しいクマの人形のようにカリカチュア化して描かれている。彼はもっと重きを置かれるべき存在で、サッチャー役が出すぎている。正しい歴史表現ではない」と映画の描き方にはかなり不満のよう。

 映画ではメリルが29年ぶりのアカデミー賞主演女優賞獲得も期待されているが、キャンベルのほかに、サッチャー政権時代に労働相だったノーマン・テビットからも映画のサッチャー像に疑問が出ている。テビット氏は今年初めにテレグラフ紙で「私の経験から言えば、彼女はメリル・ストリープが演じたような、半ヒステリックで感情的で大げさなことはなかった」と厳しい評価を下している。(竹内エミコ)

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