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反日感情が高まる今だから…中国映画『親愛』がグランプリ!

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リー・シンマン監督
リー・シンマン監督

 第8回大阪アジアン映画祭の受賞結果が17日に発表され、中国残留日本人問題をテーマにした中国映画『親愛』(リー・シンマン監督)がグランプリを受賞した。

 同作品は残留日本人の養母に育てられたキャリアウーマンを通して、日中の歴史と、経済成長著しい現代の中国を映しだす野心作。リー監督は日本と因縁の深い中国・ハルピンの出身で、残留日本人は身近な存在であり、反日感情が高まる今、あえて両国が親密な関係にあることを描きたかったという。

 リー監督は、映画『レッドクリフ』シリーズでジョン・ウー監督の助監督を務めた経験を持ち、本作が初監督作になる。副賞の50万円と花束を受け取ったリー監督は「企画から4年を費やした作品です。今夜は忘れられない夜になりました」と語り、喜びを噛み締めていた。 

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 来るべき才能賞とABC賞の2冠に輝いたのは、昨年の台湾映画界で話題になったヤン・イーチェン監督&ジム・ワン監督の『ポーとミーのチャチャ』。実際に双子であるヤン監督の実体験を投影させた青春ラブコメディで、主演のホアン・ペイジアが1人2役を演じた。

 また今回は予定されていた賞とは別に、審査員の総意で映画『日本の悲劇』(小林政広監督)の主演・仲代達矢にスペシャル・メンションが授与された。ステージでは仲代の変わりに、小林監督が代役で賞状と花束を受け取った。

 審査員を代表して、台湾・金馬奨のディレクターであるゾーイ・チェンは「死ぬことを決意する父親役を、冒険心と知性溢れる圧倒的な存在感をもって演じられ、それが大変素晴らしかった」と仲代の熱演を称賛した。(取材・文:中山治美)

 受賞結果は以下の通り。

【グランプリ】
『親愛』(中国)リー・シンマン監督

【来るべき才能賞】
ホアン・ペイジア『ポーとミーのチャチャ』(台湾)

【ABC賞(朝日放送が最も優れたエンタテイメント性を有すると評価した作品に授与)】
『ポーとミーのチャチャ』(台湾)ヤン・イーチェン監督&ジム・ワン監督

【観客賞】
恋の紫煙2』(香港)パン・ホーチョン監督

【スペシャル・メンション】
仲代達矢『日本の悲劇』(日本)

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