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とんねるず主演『そろばんずく』が上映!小林薫の怪演にライムスター宇多丸もほれぼれ

「タマフル映画祭」に登壇したライムスター宇多丸
「タマフル映画祭」に登壇したライムスター宇多丸

 17日、人気ラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」(以下タマフル)と第10回したまちコメディ映画祭in台東がコラボレーションを果たした「タマフル映画祭 in したコメ」で、とんねるず出演の映画『そろばんずく』を上映。これまで「タマフル」がセレクトした数々の作品を上映してきた「タマフル映画祭」だが、今回はいつもの新宿バルト9を飛び出して、収容人数約1,000席の浅草公会堂に出張することとなった。

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 今回の上映作品は『家族ゲーム』『それから』などで高い評価を受けていた故・森田芳光監督が、当時人気絶頂だったとんねるずを主演に迎えた1986年の『そろばんずく』。広告代理店のし烈な戦いを描いたこのコメディー映画で木梨憲武安田成美が出会い、後に結婚することになった作品としても知られる。

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 上映前に舞台に立った宇多丸は「森田監督作品といえば通常は『の・ようなもの』『家族ゲーム』でしょうが、この『そろばんずく』は回顧されることも、再評価される機会もなかった作品でした」と切り出すと、「当時は『おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!』と同時上映された。両方ともアイドル映画でもなんでもない、実験的で前衛的な二本立てでした。当時来た若者が口を開けてポカーンとしていたのを思い出します」と述懐。会場内には本作を「初めて観る」という観客が多数来場。上映中も、シュールな笑いが次々と繰り出されるたびに爆笑の渦に包まれ、大いに盛り上がった。

 この日の客席には森田監督夫人であり、プロデューサーの三沢和子氏も来場。上映後、急きょステージに登壇することになった三沢氏は「およそ30年ぶりに観ました。今まで怖くて観られなかったんです」とコメント。「当時、観てくれた若い人たちは面白いと言ってくれたんですけど、評論家や偉い人からの評判が悪くて。この後、いろんな映画のオファーをいただいた時にも、打ち合わせの時に『そろばんずく』みたいにはならないですよね、と確認されるほどだったんです。だから怖かったんですけど、でも30年ぶりに観たらとても面白かった。ちょっと(時代が)早すぎたのかもしれませんね」と付け加えた。

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 そして宇多丸が「映画を観た後はまねをしたくなる」とほれぼれするほどに、とんねるずのふたりを陥れるライバル会社の社員・桜宮天神を演じた小林薫の怪演は、観客に強い印象を残した。そんな小林の怪演について三沢氏に直撃すると、「やっぱり(夏目漱石の原作を森田監督が映画化した)『それから』で平岡常次郎をやって、その後でしたから。あの(長髪の)カツラって変だったじゃないですか。最初は小林さんも驚いて、『本当にこのカツラをかぶるんですか』と抵抗していましたよ。でもカツラができたらもうしょうがない、ということで。そこからはのってやってくれましたね」と述懐。宇多丸も「この映画の小林薫さんを観たのと観ていないのでは、小林薫さんの見方が変わってくる。絶対に観た方がいいですよ!」と興奮した様子で付け加えた。(取材・文:壬生智裕)

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