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ハビエル&ペネロペ夫婦共演で実在の麻薬王を描いた新作、監督を直撃

ハビエル&ペネロペ夫妻とアラノア監督、スペインでのプレミアにて。
ハビエル&ペネロペ夫妻とアラノア監督、スペインでのプレミアにて。 - Pablo Cuadra / FilmMagic / ゲッティ イメージズ

 ハビエル・バルデムペネロペ・クルス夫妻が共演した話題作『ラビング・パブロ(原題) / Loving Pablo』について、9月18日(現地時間)、フェルナンド・レオン・デ・アラノア監督が電話インタビューに応じた。

【画像】夫婦共演作が続く、ペネロペ&ハビエル夫妻

 本作は、コロンビア最大の麻薬密売組織「メデジン・カルテル」を率いた麻薬王パブロ・エスコバル(ハビエル)とジャーナリストで彼の愛人であったビルヒニア・バジェッホ(ペネロペ)の関係を描いたドラマ。ビルヒニアの自叙伝「Loving Pablo, Hating Escobar」をベースに、1982年から5年にわたった二人の恋愛関係に焦点を当てている。映画『ロープ/戦場の生命線』のアラノア監督がメガホンを取った。

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 麻薬王パブロは、一時期コロンビア自由党の上院議員だったことや、コロンビアには彼を愛する人々が多くいる、ということは意外と知られていないが、それは、彼が貧困層のコミュニティーを助けたり、住宅やサッカー場を建設したりしていたことによるとアラノア監督は語る。「パブロが政治家になる過程で、そんな貧困層の人々が彼をサポートすることになるんだ。だから僕は、ビジネス的な観点で、人々が近づきたくなるような部分と、麻薬王として敵対する人々を容赦なく殺害する部分と、そんな両面を持つパブロをしっかり描きたかったんだ」。これまでにパブロが描かれてきた長編作品やドキュメンタリーとは、違った観点で捉えているようだ。

 また、本作のベースとしたビルヒニアが記した自叙伝については、彼女がジャーナリストとしてかなり強い政治的観点を持っていることに惹かれたと明かす。「粗暴な男だらけで、暴力的で、タフな麻薬組織の世界を、パブロとは異なり上流階級で育ったビルヒニアのような女性の観点で描いた原作は面白いと思ったね。彼女はパブロの愛人という立場上、レストランや公共の場所における、彼の人々への接し方を間近に見てきている。彼女の観点を通して、本来のパブロの姿を垣間見れると思ったんだ」。

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 そんなビルヒニアとパブロの力関係については、「ビルヒニアは自己主張できる強い女性であり、コロンビアでは(ジャーナリスト、ニュース番組の司会者など)社会的に重要な女性として評価されている。決して、間違った男に惚れてしまった弱い女性というわけではないんだ。それに、パブロの周りで起きていることもしっかり理解していた。ただ、ジャーナリストとしてパブロに近づいたものの、彼の愛人になってしまったことで、彼女自身がターゲットにされることもあり、自らの身の危険を感じるようになってから、お互いのパワーバランスが崩れていったんだ」と説明。この二人の力関係や会話のやりとりが、ハビエルとペネロペの演技によって見事に繰り広げられていくのが、本作の見どころの一つだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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