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疎遠だった父と糖尿病の息子の物語、監督が独立系映画ならではの苦労を明かす

映画『ウェイトレス(原題) / Weightless』より
映画『ウェイトレス(原題) / Weightless』より - Paladin

 映画『グローリー/明日への行進』『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』など数々の秀作に出演してきた演技派俳優アレッサンドロ・ニヴォラ主演の映画『ウェイトレス(原題) / Weightless』について、ジャロン・アルバーティン監督が11月8日に電話インタビューに応じた。

【作品写真】『ココ・アヴァン・シャネル』でのアレッサンドロ

 郊外のゴミ処理場で働くジョエル(アレッサンドロ)はある日、こつぜんと姿を消した元妻の代わりに、疎遠だった小学生で糖尿病の息子ウィル(イーライ・ヘイリー)を引き取ることになる。なかなか打ち解けない二人だったが、やがてジョエルはウィルのために大きな決断に迫られていく。脚本は、映画『HUNGER/ハンガー』のエンダ・ウォルシュが、アルバーティン監督やシャーロット・コルバートと共同執筆。アルバーティン監督にとって、今作が長編監督デビュー作となる。

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 数々の舞台劇を手掛けてきたエンダとの共同執筆の経緯について、アルバーティン監督は「僕とシャーロットがオリジナルの脚本を書いていたとき、エンダはミュージカル版『ONCE ダブリンの街角で』の舞台を終えたばかりだったんだ。今作を手掛けたプロダクションの製作陣が、僕らの脚本をエンダに見せると、脚本を気に入ってくれた彼は、僕と朝食をとりながら脚本について話していくうちに、脚本家として参加してくれることを決めてくれたんだよ。それから彼は、今作の撮影現場となったニューヨーク州グロヴァーズヴィルに来て、現地を歩き回りながら脚本を改稿してくれたんだ」と明かした。

Weightless
体中にシールを貼った息子ウィルの衝撃的なビジュアル - Paladin

 全く演技経験のなかった息子ウィル役のイーライの抜てきについては、「イーライのような肥満の子役を探すのは、意外に簡単なことじゃなかったよ。そこで、ダイエット番組『ザ・ビッゲスト・ルーザー(原題) / The Biggest Loser』の子供版や、撮影近くのニューヨーク州のアップステート(北部)のローカル地域などで、少し肥満気味の少年を探したんだ。今作ではウィルが裸の上半身を見せるシーンがあるため、肥満の少年にとって、恥ずかしがらずに演じられる子役を探さなければいけなかったのが難しかったね。最終的にイーライに決めたのは、肥満な体型だけでなく、(演技経験がないことで)自然な演技ができたからだ。大概の子役は、それまでに何度も異なった作品で演技を経験してきて、撮影に入るとあまりリアルな演技にならないこともあるからね」その通り、イーライは子役とは思えない存在感のある演技を本作で披露している。

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 初の長編監督作として困難だったことを聞いてみると、「かなりスローペースのストーリーで、父親と息子の関係を描いている作品なんだ。そんな内容をもともとCM作品しか経験のない僕が初監督する。まずは人々に興味を持ってもらい、資金調達することに苦労したよ。ストーリーをあえて明確にせず、観客に解釈を委ねた内容でもあったから、さまざまな作品で経験を踏んできたアレッサンドロが主演することに決まるまでは、本格的に始動することができなかったんだ」と独立系映画ならではの苦労を明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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