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志尊淳、イメージ戦略に興味なし「役ごとに違う顔」見せたい

志尊淳
志尊淳

 『HiGH&LOW』シリーズと人気不良漫画「クローズ」「WORST」がクロスオーバーした映画『HiGH&LOW THE WORST』(10月4日公開)で、不良高校のリーダー役に抜てきされた俳優の志尊淳。「可愛い」というパブリックイメージが先行するなか、中学生のころから男気あふれる世界にあこがれを抱いていたという志尊が、念願かなった不良役への思い、そして「役ごとに違う顔を見せたい」という俳優としてのスタンスを熱く語った。

【写真】イメージがらり…『HiGH&LOW』の志尊淳

 本作は『HiGH&LOW』シリーズの鬼邪高校と、「クローズ」「WORST」の鳳仙学園が覇権争いを繰り広げる青春バトルアクション。『HiGH&LOW』シリーズを手掛けてきた久保茂昭監督のもと、「クローズ」「WORST」の原作者・高橋ヒロシが脚本家として参戦し、山田裕貴川村壱馬をはじめ、吉野北人清原翔前田公輝ら若手注目俳優が勢ぞろい。そのなかで志尊は最凶メンバーを束ねる鳳仙学園のリーダー・上田佐智雄をカリスマ性あふれる存在感で演じている。

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 子供のころから「クローズ」「WORST」の大ファンで、中学生のときに劇場で観た映画『クローズZERO』に強い衝撃を受けたという志尊。「男のロマンというか、闘う意味だったり、友情の深さだったり……内面的な熱さにすごく惹かれるところがあって、見終わったあとの気持ちの高ぶりがハンパなかったです。これこそがエンターテインメントだと思いましたね」と当時を振り返る。以来、不良役にあこがれて何度もオーディションを受けるが、「顔が可愛い」という理由から全て落選。それだけに、今回のオファーは、「落選をバネにがんばってきたところもあったので、夢がかなって本当にうれしかった」と思いをかみしめる。

『HiGH&LOW THE WORST』
『HiGH&LOW THE WORST』劇中の志尊 - (C) 2019「HiGH&LOW THE WORST」製作委員会 (C) 高橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX

 ただ、自身のパブリックイメージも十分承知している志尊は、原作ファンから「配役が違うのでは?」という声が上がることも想定内。「僕も原作が大好きですし、いざ役をいただいたときは、あれほど望んでいたのに迷った部分もありました。でも、俳優である以上、いろいろな役に挑戦したいと思っているので、作品、脚本、そして佐智雄という役と真摯に向き合い、内面的なものをしっかりつかめば、『必ず変わることができる』と信じてトライすることに決めました」と男気をのぞかせる。

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 2011年の俳優デビュー以来、実にさまざまな役に挑戦している志尊。映画『探偵はBARにいる3』ではキレのあるアクションで冷酷非情な用心棒を、映画『走れ!T校バスケット部』では弱小チームを立て直す気骨あふれるエースを、さらにドラマ・映画『潤一』では孤独な女性たちを瞬時に魅了するミステリアスな青年を見事に演じ、男の強さや荒々しさ、艶っぽさを数多くの作品で表現してきた。ところが、そのフェミニンな顔立ちから、連続テレビ小説「半分、青い。」(2018)のゲイセクシャルの青年役や、ドラマ「女子的生活」のトランスジェンダーのヒロイン役、『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』の天真爛漫な新入社員役など、「可愛い」役の印象がより強烈に頭に焼きつき、なかなか「男気」に結びつかない。

 これに対して志尊は、「僕をよく知る仲のいい友達からは、『お前、可愛い系俳優なんだって?』とイジられたりしますが(笑)、そのような世間の方の声も全く気になりません。それはあくまでも、作品を観ていただいたお客さんや視聴者の皆さんが決めることですから。僕はいただいた目の前の役を必死にやるだけ。『可愛い』と言われることに反発もないし、今回、ハードな不良役をやったからといって、これを機に『男っぽいイメージにシフトしよう』という考えもありません」とキッパリ。

 ただ、志尊なりの理想はある。「とにかく俳優である以上、『結局、志尊淳ってどんな人なの?』と言われるくらい、いろいろな顔を見せていきたいという思いはあります。作品ごとの顔があって、ちゃんとその役割を果たしたい。そのくらいの気持ちで作品と真摯に向き合い、臨んでいきたいと思っています」と目を輝かせていた。(取材・文:坂田正樹)

※高橋ヒロシの「高」は「はしごだか」が正式な表記

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