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『アントマン&ワスプ:クアントマニア』レビュー:アベンジャーズ5の序章、征服者カーン登場で新局面へ

MCUフェーズ5開幕!
MCUフェーズ5開幕! - (C) Marvel Studios 2023

 映画『アントマン』シリーズ第3弾『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)フェーズ5の開幕作であると同時に、来たる『アベンジャーズ』シリーズ第5弾の序章とも言える重要作だ。2月17日の劇場公開を前に、一足先に本作を鑑賞した編集部スタッフが、ネタバレなしでレビューする。

【動画】『アントマン&ワスプ:クアントマニア』本予告

 アベンジャーズとサノスの激闘を経て、MCUはフェーズ4より「マルチバース・サーガ」に突入した。並行世界への扉が開かれたことで、予想外の助っ人ヒーローが登場したり、複数の時系列で新たな物語がつづられた。フェーズ5はMCUのマルチバース化がさらに加速することとなり、新局面に突入する証拠として、過去・現在・未来を操る新たな敵、征服者カーン(ジョナサン・メジャース)が本作で初登場する。

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 アントマン/スコット・ラング(ポール・ラッド)は、自伝本が大ヒットし、人生を謳歌しているのだが娘キャシーが開発した“ある装置”によって、量子世界へと飛ばされてしまう。量子世界は過去作で名前こそ登場したが、あまり深掘りされなかった未知の領域。過去2作のようなサンフランシスコの美しい街並みとは打って変わり、『スター・ウォーズ』のようなSF映画に見られる幻想的な風景がスクリーンいっぱいに広がる。量子世界の住人やクリーチャーも目新しさを感じるデザインで、量子世界を探検したくなる高揚感が湧き上がる。

アベンジャーズの次なる敵、征服者カーン -(C) Marvel Studios 2023

 本作が扱うのは「時間」。多次元にいくつもの変異体を持つカーンを初めて描くには相応しいテーマだ。サノスの“指パッチン”によって、スコットはキャシーとの大切な時間を失っており、そこに時間を操るカーンの魔の手が忍び寄る。人の弱みにつけこみ、容赦ない選択を迫るカーンはサノスよりも狡猾で、全編通して、一瞬たりとも気が抜けない威圧感を醸し出す。

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 シリーズ共通のテーマである「家族」も、並行して扱われている。特にスコットと愛娘キャシーの関係性は、過去作と同じく時にコミカルに描かれており、成長したキャシー役を務めるキャスリン・ニュートンのフレッシュな演技も光る。父親の役に立つため、自らも戦いに身を投じるキャシーの姿はヒーローそのもの。次世代ヒーローの活躍は、フェーズ5でも大いに期待できるだろう。

 カーン以外の新キャラクターも見どころの一つだ。原作で高い人気を誇るモードック(M.O.D.O.K.)は華々しくMCUデビューを飾り、実写化を待ち望んでいたマーベルファンを納得させるような、抜群の存在感を発揮。『ゴーストバスターズ』などで知られる名優ビル・マーレイも重要なキャラクターを演じており、同じくベテラン俳優であるマイケル・ダグラスミシェル・ファイファーの豪華なアンサンブルは、映画ファンも唸らせるはずだ。

 カーンは『アベンジャーズ』第5弾『アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ(原題) / Avengers: The Kang Dynasty』(2025年5月2日全米公開)のタイトルにも入るなど、MCU全体の新たなメインヴィランとなる。『アベンジャーズ』第5弾に直結することは、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギや、プロデューサーのスティーヴン・ブルサードが証言済み。今後の展開を示唆するヒントも隠されており、最後まで席を立たずに鑑賞することをオススメする。(編集部・倉本拓弥)

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