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注目の17歳・伊東蒼「どうする家康」でアドリブも!“松本家康”の温かさ感じた撮影

第14回「金ヶ崎でどうする!」で伊東蒼のアドリブが反映されたシーン
第14回「金ヶ崎でどうする!」で伊東蒼のアドリブが反映されたシーン - (C)NHK

 松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜、NHK総合夜8時~ほか)で徳川家康と織田信長の妹・お市をつなぐ侍女・阿月(あづき)を演じた伊東蒼(17)。「平清盛」以来11年ぶりとなる大河ドラマ出演への思いや、とにかく走りに走ったという撮影の裏側を振り返った(ネタバレあり。14回の詳細に触れています)。

【画像】涙の松本潤&伊東蒼の共演シーン

 戦国乱世に終止符を打ち、江戸幕府初代征夷大将軍となった徳川家康(松本潤)の軌跡を追う本作。『コンフィデンスマンJP』シリーズや映画『レジェンド&バタフライ』などの古沢良太が脚本を務め、次々に襲いかかる試練に「どうする?」と決断を迫られ、迷い葛藤しながら成長していく家康を等身大で描く。

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 伊東は2011年にドラマ「アントキノイノチ~プロローグ~天国への引越し屋」でデビュー。映画『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)で第31回高崎映画祭の最優秀新人女優賞を受賞。安藤サクラらと共演した主演映画『島々清しゃ(しまじまかいしゃ)』(2016)では第72回毎日映画コンクールのスポニチグランプリ新人賞を獲得。NHKの連続テレビ小説「おかえりモネ」(2021)や、映画『空白』(2021)の主人公(古田新太)の娘役、『さがす』(2022)の主人公(佐藤二朗)の娘役などドラマ・映画出演が相次ぎ、注目を浴びている。

初大河「平清盛」での忘れられない思い出

 伊東演じる阿月は第13回「家康、都へゆく」から登場。本作で家康の家臣・本多正信を演じる松山ケンイチが主演を務めた「平清盛」(2012)では、清盛の娘・盛子を演じた。伊東は、6歳だった当時を以下のように思い返す。

 「すごく緊張していて、そのわたしを見ていた松山さんがグミをくださったんですけど、もったいなくて食べられなくて(笑)。高校一年生のときに引っ越したんですけど、そのタイミングまでずっと冷蔵庫に保管していたぐらい大事にとっておいた思い出があります」

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 伊東にとって久々の大河ドラマ。演じる阿月は貧しい下級武士の娘で、つらい生活を送っていたところを北近江の戦国大名・浅井長政(大貫勇輔)に嫁いだお市(北川景子)に助けられ、侍女として仕える。2度目の大河とあってやや緊張も和らいだかと思いきや「ずっと緊張していた」という。その理由の一つが、時代劇ならではの所作だった。

 「自分が生きている時代と全然違うので、お作法にも正解がありますよね。お着物を着て、一歩動いたり目線一つにしても“これはお作法として合っているのだろうか”と考えながら演じていたので、『平清盛』の何倍も緊張していた気がします」

北川景子&松本潤の優しさに感激

第13回「家康、京都へゆく」より、阿月(伊東蒼)にお市(北川景子)が金平糖を与えたシーン

 第13回では阿月がお市にとても大切にされ、可愛がられているのがわかり、お市が家康にもらった金平糖を阿月に譲る場面があった。お市を演じる北川を「すべての所作が美しくて、みとれてしまって。カメラがまわっていない間もお市様なんだなと……言葉も出ない感じでした」と絶賛する伊東。この場面では北川、そして座長の松本の気遣いに支えられたという。

 「お市様が阿月の口に金平糖を放り込む際に“金平糖がなかなか入らないよね”っていうお話を北川さんとしていて。“突然金平糖入れられたら怖いよね?”と気を遣ってくださったり、どう入れるのがいいんだろうとお話ししていたところ、松本さんが助けてくださったんです。初めのリハーサルのときにわたしがフェイスシールドをつけて演じていたので、少しやりづらいなと感じていたんですけど、松本さんが“外していいからね”と言ってくださって。おかげでスムーズに進められました」

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 その松本とは、本作が初共演。幼いころからテレビで観ていたスターを前にして緊張もひとしおだったと伊東。「最初にお会いしたときも“あ、テレビで観たことがある方だ!”とすごく緊張していたんですけど、松本さんの方から声をかけてくださって。わたしのリュックを褒めてくださったり、撮影でお会いするたびに声をかけてくださって、緊張がほぐれたというかリラックスしてお芝居ができました。実際には言えなかったですけど心の中ではずっと“殿”と呼んでいました」

走って、走って、走る!

第14回より、阿月は道中で少女時代のつらい過去を思い返す

~以下ネタバレ含みます~

 第14回「金ヶ崎でどうする!」では、織田信長(岡田准一)と同盟を結んでいた浅井長政が、信長への不信感から反旗を翻す事態に。浅井の妻・お市が家康に危機が迫っていることを告げようとしたところ、侍女の阿月がその役目を担う。浅井の小谷城から家康のもとへ向かう過酷な旅路の中で、幼いころに父に両足を縄で縛られ、給仕の作法を叩き込まれた日々を思い返す。

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 「歩幅を狭くしての特訓は、本当に歩きづらくて、これを毎日、しかもお父さんにさせられるというのは苦しいだろうなと思いました。阿月は、もともとは活発な女の子。制作統括の磯智明さんから、この作品では、女性の地位が低く虐げられていた時代の中でも、生き生きと、縛られずに生きていたキャラクターを描いているとうかがいました。阿月もその一人で、侍女としておとなしくまとまるだけではなく、活発さもある生きたキャラクターになればいいなとお話していただきました」

 撮影は走るシーンから始まり、「一体いつになったらたどり着くんだろう」という阿月の心情とシンクロしたという伊東。「いろんな場所を走って、どんどん服の形態も変わっていくんですけど、いつこの走りの撮影は終わるんだろうと。とにかく頑張ろうという一心でしたが、そこは阿月の気持ちと似たようなものだったんじゃないかなと思います。走ることはあまり得意ではなかったんですけど、撮影のおかげで速くなった気がします(笑)」

 終盤のシーンでは、脚本に「素晴らしいスピードで猛然と走る阿月」とある。阿月が幼いころにまだ自由だった日々を思い返しながら、すべてから解き放たれたかのように豪快に走るシーンで、伊東は「最後の方は監督から“これまでの疲れはすべて忘れて、幼いときの阿月の走りとリンクする感じで走ってほしい”と言われて、その前にもかなり走っていたので疲れはあったんですけど、実際に撮影に入るとすごくスピードに乗って走れたんです。気持ちよく、高揚しながら走れたので、ナチュラルに阿月の気持ちと重ねて走れたんじゃないかなと思います」と振り返る。

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 途中で敵方に捕らえられそうになるも、阿月は十里もの道を駆け抜け、満身創痍でついに家康のもとへたどり着く。そこでは感情がこみ上げ、思わずアドリブもあったという。「なぜか、最後に何かしたくなって松本さんの腕をつかんだんですけど、(本編では残念ながらカットされてしまったのですが)松本さんが手を握り返してくださいました。“頑張ってよかったね、阿月”と思いました。家康様の温かさを感じたシーンで、印象に残っています」

 伊東は現在、紀里谷和明監督のもと主演を務めた映画『世界の終わりから』が公開中。今年3月~4月上旬には舞台「明るい夜に出かけて」にも出演し、学業と女優業を両立する多忙な現役高校生だが、逸材ともてはやされることにも臆することなく「私生活でそう言っていただけることはなかなかないのでうれしいです。あまりプレッシャーは感じず、お芝居を楽しくやらせていただいています」と心から女優を楽しんでいる様子。そんな伊東の息抜きの方法は「たくさん寝ることと、たまに大きい声を出すこと、友人や母親と話すこと」。進路については真剣に考え中だという。(編集部・石井百合子)

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