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64歳でサメもいる海峡を泳いで横断 オスカー監督が不屈のスイマーの映画化に挑んだ理由

アネット・ベニングとジョディ・フォスターの表現する友情も感動的
アネット・ベニングとジョディ・フォスターの表現する友情も感動的

 映画『ナイアド ~その決意は海を越える~』は、64歳でキューバからフロリダまで、約180キロを泳いで渡ったダイアナ・ナイアドと、彼女のコーチで親友のボニー・ストールを描いた実話を基にした感動作。アネット・ベニングがダイアナを、ジョディ・フォスターがボニーを、まさに体当たりで演じている。監督は、アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した『フリーソロ』をはじめ、優れたドキュメンタリー作品を手がけてきたエリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ(通称チャイ)とジミー・チンのコンビ。Netflixで配信中の本作について、チャイとジミー、そしてボニーの3人に話を聞いた。

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 ナイアドは、28歳の時にもキューバからフロリダまで泳ごうとしたことがあるが、その時は失敗。アスリートとしては引退し、長年スポーツジャーナリストとして活躍するが、60歳になった時に長年の夢を叶えようと決心、2013年、5度目の挑戦でついに快挙を成し遂げた。

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 「これは、60歳で目覚めた女性の話なの。私にとって最も感動的だったのは、夢を追い求めるのに遅すぎることはないということ。またそれ以上に、運命は自分でコントロールできるんだということよ。社会からはもう限界だと思われても、自分にはもっと与えられるものがあると考えること。それは、男性にも女性にも、キャリアにおいても私生活においても、誰にでも当てはまることだと思うわ」とチャイは、今この話を映画化したいと思った理由を説明する。

 ジミーも、ダイアナの勇気に強く惹かれたと語る。「肉体的な危険やリスクに立ち向かう勇気を持つこと以外に、本当に勇気が必要なのは、失敗するかもしれなくても、自分が情熱を注いでいることをやることだと思う」

 ボニーは、長年の親友ダイアナのことを「すごく力強く、好奇心旺盛で聡明な人よ。6か国語を話し、旅行が大好き。そしておしゃべりが大好きなの。人生の大半を水中で泳いですごしたからだと思うわ」といって笑う。サメよけのケージも使わずに泳ぐという命懸けの冒険となったが「とても危険だったけど、私たちは、できる限り危険を少なくしようとした。それぞれの失敗から多くのことを学んだの。ハコクラゲについて学んだし、サメを決して傷つけないためのチームもいた。私たちはあらゆる面で教育を受けた」と準備万端で臨んだという。

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「ダイアナ・ナイアドの役は、アネット・ベニングじゃなければいけないと私たちは常に思っていた」

 アネットとジョディの迫真の演技は素晴らしく、チャイは、初の長編劇映画で、この2人を起用できたのがいかに幸運だったかを振り返る。「ダイアナ・ナイアドの役は、アネット・ベニングじゃなければいけないと私たちは常に思っていたの。年齢にふさわしいキャスティングをすること、そしてこの役への挑戦にコミットしてくれる俳優を見つけることも重要だった。だから、1年以上トレーニングに費やしてくれたアネットに出てもらえて本当に幸運だったわ。彼女は水泳の心得があり、もともと運動神経は良かったけど、マラソンの水泳選手じゃなかった。同様に、ジョディがボニーを演じることに同意してくれて本当に幸運だった。映画の中の彼女の体型やトレーニングの様子を見てもわかるように、彼女も身を投じてボニー役にコミットしてくれたのよ」

 また、ドキュメンタリー出身の監督コンビにとって、モデルとなったダイアナと一緒にすごせたことも、とても重要だったと、チャイは続ける。「ダイアナとボニーの大きな功績は、彼らのストーリーを語ることを私たちに託してくれて、アネットとジョディに、彼女たちなりのダイアナとボニーを作り上げる場を与えてくれたことなの。アネットやジョディと一緒に多くの時間を費やしてくれたし、同時にクリエイティブなプロセスを尊重してくれた。(撮影の)最後の方に1度セットまで来てくれたけど、それはとてもスペシャルな時間だったわ」。

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 ダイアナとボニーの友情が非常にリアリティーをもって描かれており、アネットとジョディの固い絆を感じさせるが、現場での2人の様子はどうだったのか、最後に尋ねてみた。

 ジミーは「同じ業界にいるから、どこかでばったり会ったりはしていたと思うけど、実際に一緒に時をすごしたことはなかったんだ。2人が初めて会ったときは、僕たちも一緒にいて、脚本を読み合わせた。そして、すぐにお互いに尊敬し合っていることがわかったんだ。だから、この映画を作る上で最もやりがいのあることのひとつは、2人の本当の友情が時間をかけて育まれていくのを見れたことだったと思う。この映画の制作を経て、スクリーンに映し出されるものが現実のものとなり、実際にとても親密になったと思うよ」と満足そうに答える。

 アネットとジョディには、すでにアカデミー賞候補入りを期待する声が上がっている。これまで4度オスカー候補になりながら、一度も受賞したことがないアネットが、本作で初受賞となる可能性は十分ありそうだ。(吉川優子/Yuko Yoshikawa)

Netflixシリーズ『ナイアド ~その決意は海を越える~』独占配信中

映画『キャプテン・マーベル』8分間以上の本編プレビュー映像 » 動画の詳細
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