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『ダ・ヴィンチ・コード』

シネマ副音声

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ちき&ありあの「ど~こ観てるのよん」シネマ副音声
森を見るよりついつい木を見てしまいがち。さらに葉っぱについてる虫を、さらにさらに木のウロの中に顔をつっこんで宝探し。それは映画も同じこと。そんな2人が話題の映画のすき間を観察中。たわごと上等、的はずれご容赦!
『ダ・ヴィンチ・コード』を「駄文&ちきコード」で観察の巻
「ダ・ヴィンチは、そのほほ笑みに、何を仕組んだのか。」って、んんんん? 「モナ・リザ」のほほ笑みに何か仕組まれてた? 確かにルーヴルの「モナ・リザ」に隠されていたものはあったけど……うーむ。

殺されたルーヴル美術館館長のソニエールさんの股間がぴかーっと光って見えなくするあのライティングは見事でした。映倫御用達ライティング技! 「ウィトルウィウス的人体図」を忠実に再現したから裸だったのでしょうけど、忠実にするなら手足をばたつかせるようなしかけもやっておいて欲しかったと思ってしまいました。な~んて、胸の下を撃たれてから、いろんな仕掛け・仕込みしたってことだけで、もうあっぱれ×100ですけどね。 アナグラムも暗号も即座に解く人間パソコン状態のラングドンがいたおかげで、観客は、「不可解な暗号」と感じる間もなく答えを教えてもらえて、非常に楽。ラングドンは、まるで超能力者のようでした。「記憶力がいいだけ」と謙遜(けんそん)してましたが、ぱっと見で、キーの文字がぴかーっと光って見えるほどのすごい冴え方ですからね。クリプテックス(アルファベット5文字を正確に並べないと開かない機密文書保管庫)から文書を取り出した早業もまるでマジシャンの手さばき。あのキーワードを思いついたのは、ニュートンというより『フォレスト・ガンプ』だったからじゃないの、トム・ハンクス、な~んて思ってしまいましたけど。

暗号解読官のソフィーも貸金庫の番号は直感ですんなり正解だし、ファーシュ警部のちくり電話の相手もすぐ分かるし、怪しい足跡も見た瞬間にその主は現れるし、観客はまったく謎解きに頭使わなくていいから、非常に楽ちんな映画。だけど、シラスを2発もぶん殴り、ドカンドカンと蹴り入れるソフィーちゃんの暴力女っぷりには面食らいました。さらに「地獄の火に焼かれるんだからね」という脅しっぷりのすごさ。それにはシラスも、うぐぐ、となってしまうド迫力でした。これも苦行は善なりととらえてくれたのかな、シラス。「神の御心です」「人は神の道具です」で、何もかも納得させられる信心深い人たちが、無神論者から観ると、なんと素直なのだ、と感心させられもしました。主人公の絶体絶命の危機も、神の御業(たぶんね)によって回避したのは感動的。白いハト、グッドジョブです。あれは天使の化身だったのかな。
子供のころ、井戸に落ちたラングドンさんも、神の御業で救われ、閉所恐怖症だけで良かったですねぇ。ソフィーちゃんはもっと怖い目に遭っていたけど、車恐怖症にもならないでさすがの血筋です。あの事故の再現フィルムは、この映画の中で一番衝撃でした。富豪のティービングじいちゃんの典型的なステレオタイプ英国人的な描き方も分かりやすかったです。ステッキ2刀流も紳士っぽく、ガウンの柄もペイズリー。ゾウリムシにも見えてしまう柄ですが。 フランスからイギリスへ、車も左ハンドルから右ハンドルへ。イギリス刑事のコートの裏地、フランス司法警察警部補の歩き葉巻など、仏英対比も明確でした。

冒頭のラングドン教授の講演で、「シンボル、絵は千の言葉を持つ」「意味や文化の多様性」「K・K・K? いやいや、実はスペインの司教だよん」なんて教えを受けたおかげで、いろいろなものが見えてきました。

「最後の晩餐」からはMの字、Vどころか、いろんな文字が見えてきちゃいましたよ。だいたい、キリスト自体がAの文字型だし、キリストの左の3番目と4番目の人の間にも、角度は広いけどがあるんじゃないですか?とかねー、ありとあらゆるところになんか記号が見えてきちゃいました。それに、ラングドンの額の生え際もM、ファーシュの生え際もM、これも髪の御業……いや神の御業なのか……。そして、主演女優さんが衣装替えしない映画も珍しいですが、ソフィーのブラウスの前がだんだんはだけて、そこにはくっきりとVの字が現れてきて、ああ、ここにも神の御業が……なーんて。

中世のテンプル騎士団、2000年前のエルサレムの再現映像は、本編より手間暇お金がかかってそうなのに、ちょい観せだけで、贅沢!さらにラストシーンはとてもきれいで夢幻の世界に引き込まれるような結論。そしてまた、ルーヴル美術館一気に駆け抜け見学コース、パリ市内最短観光コース、イギリス最速名所巡り、最短暗号解読学、付け焼刃イエス&ダ・ヴィンチ講習会などに一度に参加できて楽しかったことは確かです。充実のカルチャーセンター受講2時間半でした。

でもさー、でもさー、でもさー……ということも、疑問には及びませんね。ま、すべて神の御業ですから。 「そのほほ笑みに何が……」っていうのも、まあ、「モナ・リザ」はダ・ヴィンチ自画像説もあるので、「そのほほ笑み」は「ダ・ヴィンチ・コード」の仕掛け人本人のほほ笑みってことで。「意味の多様性」ですよね、ね、ラングドン教授!
「絵は口ほどに物を言う」ちき観察官:おおやちき。「ダ・ヴィンチ・コード」よりも、巧妙で愉快な「ちき・コード」を仕掛けるパズル作家&イラストレーター。当代きっての超細密画は右に出る者なし。 「書くは一時の恥」ありあ観察官:きちんと完璧な映画はもちろん、つっこみどころ満載のすっとこ映画も同じぐらい大好きな映画中毒者。右利きなのに文を書かせりゃ鏡文字。
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