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第63回:『トランスフォーマー/ロストエイジ』『STAND BY ME ドラえもん』『バトルフロント』『TOKYO TRIBE』『宇宙兄弟#0(ナンバー・ゼロ)』

今月の5つ星

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今月の5つ星

人気SFシリーズ第4弾『トランスフォーマー/ロストエイジ』、国民的人気アニメを3DCG化した『STAND BY ME ドラえもん』、シルヴェスター・スタローン製作・脚本&ジェイソン・ステイサム主演のアクション『バトルフロント』など、大画面で迫力を堪能したい夏映画がズラリ!

『トランスフォーマー/ロストエイジ』

『トランスフォーマー/ロストエイジ』
©2014 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro.

オートボットによる時代劇のような大立ち回りが圧巻!
アクション映画によくある銃撃戦やカーチェイスは、スクリーンで見るからこそ、その迫力を体感できるが、本作はその最たる例。上映時間が3時間近くあり、テンコ盛りの内容に少し疲れてしまうものの、重厚な雰囲気ではなくライトなアクションとサクサク進むストーリーで、体感時間を長く感じさせない。さらにこれまでのトランスフォームとは一味違う、オートボットによる時代劇のようなド派手な大立ち回りで、おなかいっぱい! 「お父ちゃんの前で娘が彼氏とラッブラブ」「お父ちゃんが娘を助ける」といった、いかにもハリウッド的なアクション映画の王道の設定も痛快。マーク・ウォールバーグ演じる発明家がなぜか筋肉隆々という点には、あえてツッコミは入れないでおこう。(編集部・小林裕介)

映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』は8月8日より全国公開

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『STAND BY ME ドラえもん』

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『STAND BY ME ドラえもん』
©2014「STAND BY MEドラえもん」製作委員会

3DCGならではのワクワク感あふれる名シーンが満載
藤子・F・不二雄氏の国民的まんががテレビアニメ化されてから約40年、初の3DCG劇場版が製作されると聞いた際には期待より不安が勝ったが、自身も「ドラえもん」を深く愛する山崎貴八木竜一両監督が手掛けたとあって完成した作品はそんな不安を払拭(ふっしょく)するには十分な仕上がりだった。3DCGになったキャラクターたちの存在感は圧倒的で2D版より温かみを感じさせるし、のび太がタケコプターで初めて空を飛ぶシーン、ドラえもんたちがびゅんびゅん飛んでくる車をかわして未来ののび太を追い掛けるシーンのワクワク感は3DCGならでは。大人も楽しめるのは間違いないが、ファンにはおなじみの泣けるエピソードがこれでもかと詰め込まれた本作だけに、原作を知らない若者・子供たちこそ観るべき作品にも思える。(編集部・市川遥)

映画『STAND BY ME ドラえもん』は8月8日より全国東宝系にて公開

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『バトルフロント』

『バトルフロント』
©Homefront Productions, Inc. 2013

派手な仕掛けはなくとも、説得力のあるステイサムのアクションが光る
元トップアスリートの身体能力を生かした、見せるアクションとリアルなアクションを融合させた説得力やキレの良さで、今やハリウッドを代表するアクションスターの一人となっている英国俳優のジェイソン・ステイサム。その主演作『バトルフロント』は、大先輩のシルヴェスター・スタローンが脚本と製作を務めている。クリエイターとしての顔も持つスタローンは、『ロッキー』をはじめ数多くの脚本を手掛けてきているが、その大半は自らが出演するためのもの。本作も同様だったがタイミングの問題もあって実現できなかったところ、『エクスペンダブルズ』シリーズで組んだステイサムを気に入り、この脚本を託したのだという。物語は、9歳の娘を持つシングルファーザーが、麻薬捜査官引退後に移り住んだ亡き妻の故郷の田舎町でその素性が漏れてしまい、以前壊滅させた麻薬組織から報復されるというもの。いつもどおり寡黙でクールながら、娘を守るために怒り、戦うステイサムは、初のパパ役がちょっと新鮮。また、悪役のジェームズ・フランコやそのビッチな彼女役のウィノナ・ライダーら共演陣も好演しており、派手な仕掛けはなくとも説得力のあるアクション映画を観たい方にはぜひお薦めしたい。(編集部・天本伸一郎)

映画『バトルフロント』は8月9日より全国公開

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『宇宙兄弟#0(ナンバーゼロ)』

『宇宙兄弟#0(ナンバーゼロ)』
©宇宙兄弟 CES2014

キャラクターの前日譚と共に描かれる「死」のテーマも興味深い
宇宙飛行士を目指す兄弟を主人公とする人気漫画の劇場版アニメ。監督は、テレビアニメ版も手掛けた渡辺歩が務め、原作者の小山宙哉がオリジナル脚本を執筆している。今作では、漫画に至るまでのキャラクターたちの成長過程が色濃く描かれ、必要以上に過去のことを語らないアラサーの主人公たちの前日譚(たん)が展開。そのことによって、鑑賞後には漫画版のキャラクターたちにより、成熟した印象を抱かせる。また、キャラクターの魅力を堀り下げるだけでなく、「死」をテーマにしている点も興味深い。別れの状況は人それぞれであることを劇的にではなく淡々と伝えることにより、「死」を改めて意識させることに成功している。声優陣の「笑い」「泣き」の演技も秀逸。(編集部・井本早紀)

映画『宇宙兄弟#0(ナンバー・ゼロ)』は8月9日より全国公開

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『TOKYO TRIBE』

『TOKYO TRIBE』
©2014INOUE SANTA / TOKYO TRIBE FILM PARTNERS

朝ドラの人気俳優がTバックで歌い暴れる園子温流ミュージカル
『地獄でなぜ悪い』長谷川博己『ヒミズ』染谷将太二階堂ふみ、テレビドラマ「みんな!エスパーだよ!」の夏帆……園子温監督は俳優&女優を化けさせる天才だ。井上三太の人気漫画を全編セリフがラップのミュージカルにアレンジしたこの野心作『TOKYO TRIBE』は、改めてそれを証明する快&怪作。でんでん、染谷将太、窪塚洋介といった園監督の過去作に登場した芸達者な顔ぶれに加え、NHK連続テレビ小説「花子とアン」で人気沸騰の鈴木亮平、オーディションで選ばれたラッパーのYOUNG DAISらが参戦。中でも、「ブクロWU-RONZ」のリーダーにふんし、王子様のようなキャラクターで女性をとりこにした「花子とアン」とは180度異なる怪演を見せた鈴木が圧巻。冒頭いきなり女性刑事の胸をわしづかみにするあたりから鬼のような形相となり、腹筋が六つに割れたTバック姿をさらけ出し、叫び、歌い、人を斬りまくる姿はまるで野獣。オープンセットで作り上げた猥雑(わいざつ)な新宿&池袋の街で繰り広げられる、暴力とエロスの“狂宴”は、ぶっ飛びの衝撃をもたらすこと必至!(編集部・石井百合子)

映画『TOKYO TRIBE』は8月30日より新宿バルト9ほか全国公開

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