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感染症対策を徹底して…初の十人十色映画祭を敢行!!

まほの別府ブルーバード劇場日記

 みなさんこんにちは! 別府ブルーバード劇場で2017年から開催されている映画祭には、毎年多くのドラァグクイーンの皆さんが応援に来てくれています。今年で卒寿を迎える照館長の祝賀イベントの第一弾として、初めての十人十色映画祭が開催されました。緊急事態宣言前に企画していたことなのですが、緊急事態宣言が発令され、いろいろ悩んだ末に開催することになった、山あり谷ありの映画祭の様子をお伝えします!(文・森田真帆)

LGBTQをテーマにした映画祭を開催!

ブルーバード劇場
感染防止板越しのドリアン・ロロブリジーダ歌謡ショーリハの様子

 村上虹郎、渋川清彦、阪本順治監督、そして足立紳監督がやってきた第4回Beppuブルーバード映画祭。多くの方に映画館にやってきてもらえて、映画を思い切り楽しんでもらう。やっぱりイベントって本当に楽しくて、またやろう! と盛り上がる中で考えた企画が、映画祭を毎年盛り上げにきてくれているドラァグクイーンを主役にした映画祭。その名も十人十色映画祭です。なんといっても2021年は照館長が90歳の卒寿を迎えるとってもとってもうれしい年。そんな一年の最初を飾るのは、華麗で明るく元気なドラァグクイーンとのコラボイベント! 毎年好評のLGBTQをテーマにした映画の上映とトークイベントをまるっと2日間開催することになりました。ブルボンヌさん、バブリーナさん、ナナさん、パルプさん、レスペランザさん、ドリアン・ロロブリジーダさん、ベビーヴァギーさん、ぽり美さん、虹子ロンドンさんの9人が別府にやってきたのです!

 1人でも多くの人たちに、映画を通してありのままの自分でいられること、そして周りの人もまたありのままの自分で生きていける社会を作るヒントを得てもらいたい。そんな願いを込めてこの企画をスタートしました。とはいえ、イベントとか映画祭の準備は、最低2か月前からスタートするもの。9人ものドラァグクイーンたちの航空券や宿はとにかく早いうちに、早割使って取らなきゃならないし、ポスターの印刷とか、宿の手配とか大忙し! 企画が立ち上がった瞬間から、私たちの忙しい日々が始まったのでした。

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いきなりの緊急事態宣言で完全に固まる

ブルーバード劇場
フェイスシールドとマスクで感染対策!

 そんなこんなで12月からチケットの手配をするなど、順調に準備を進めていた矢先の年明け。東京などの都市部では新型コロナウイルスの感染状況が日に日に悪化して、なんだかもしかしたら緊急事態宣言が出るかも、なんていう不穏な空気が流れていました。もしも緊急事態宣言が出てしまったらどうしようと心配性の私も早速対策を考え始めました。とはいえ、国からの補償などが出ない限り、もし中止にしてしまった場合は、ブルーバードを助けるどころかとんでもない赤字になってしまう。てか、むしろこれ無理だよ、払えないよ! やばすぎる! とパニックになり、緊急事態宣言出たら、東京からゲストを呼んじゃダメなの!? と市役所各位、もはや県会議員さんにまで連絡を取りまくりましたが、自分とこの町が緊急事態宣言じゃない限りは、特になんの問題もないのだそうな。それでもビビリの私は「地方の映画館に予定されていたイベントどうするの!?」と関係各所に確認とりまくりました。どこも自己判断って、ほんと困るなあ。もうダメならダメ! と言ってくれ! とスタッフ全員で頭を悩ませました。

 そしてなにより来ていただくお客様を安全におむかえすることが最重要。さらに心配なのがうちの館長です。なんせ今年90歳だし、感染したらシャレにならん。やっぱり中止にすべきかどうか。と考えていたら館長自ら、もう90歳やし、死ぬときは死ぬわ。赤字になるほうが心臓に悪いと一言。それなら安全第一で頑張ってやってみよう! とイベントを開催することを決意したのでした。

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貸し切り旅館でドラァグクイーン悶絶!

ブルーバード劇場
貸切旅館をさせてくれた女将さんに「女装温泉」を拡散してPR協力!

 そうと決まったら、安全第一!!! というわけで、まず取り掛かったのが万全のコロナ対策。今回は本当にたくさんの方々に助けてもらいました。まずは劇場の常連さんのお医者様からコロナ対策を伝授してもらいに。当日配る大量のマスクをボランティアさんから寄付いただき、劇場側ではフェイスシールドを用意。そしてチケットはトークショーの飛沫を考えて前三列を潰して発売ビニール手袋を用意して、さらにはお客様と演者の間に飛沫防止シートを設置。ドラァグクイーンさんたちも、「私たちがお客様や照ちゃんにうつしてしまってはいけないから」と自主的にPCR検査を受けてくださり、大分にくる2週間前からの自主隔離。さらには大分空港からの個別移動! と徹底した感染症対策をしていただきました。

 さらに、これぞ別府のすごさ! と思ったのが、宿泊者との接触を避けるため、できるだけ貸し切りでという条件を受け入れてくださる旅館がありました! 別府市は観光の街のため、今回の都市部での緊急事態宣言と、GO TOキャンペーンの中止によって、別府市の観光客は激減。実は1月から完全に閉めてしまっている旅館も多いんです。今回は、コロナの打撃をもろに受けてしまった別府北浜にあるゆわいの宿竹乃井さんが別府ブルーバード劇場に全面協力! 1月から宿泊客が激減したため、休館を余儀なくされているというこのお宿が、ドラァグクイーン御一行様を貸し切りで受け入れてくださったのです。クイーンのみな様は別府に到着して早々、貸し切り旅館にテンションが上がったものの、お部屋で待ち構えていたお医者さんに抗原検査でお鼻をぐりぐりされていやあぁぁぁぁ! 痛いぃぃぃ! と悶絶していました。めっちゃ痛そうだったけど、観客のみなさんと照ちゃんとの安心のためには! と頑張ってくれました。見事抗原検査もクリア! 劇場のコロナ対策もバッチリで、あとは本番を待つのみとなりました!

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ジャパンプレミアにドラァグクイーンが大集合!

ブルーバード劇場
まさかの『ステージ・マザー』ワールドプレミアでーす(左から虹子ロンドン、レスペランザ、ベビーヴァギー、ドリアン・ロロブリジーダ、ブルボンヌ、バブリーナ、ナナ・ヴィクトリア、パルプ、ぽり美)。

 今回の映画祭では、短編、長編合わせて全部で9作品のLGBTQに関する映画を上映。映画の上映後には、ドラァグクイーンの面々が、自分たちのセクシュアルマイノリティーとしての悩みを観客の皆さんに共有し、映画やLGBTQへの理解をより一層深めてくれました。さらに、さらに! 今回はリージェンツさんという配給会社さんが全面協力! 公開日よりも一足早く、映画ステージ・マザー』のスペシャルプレミアイベントを開催してくださったのです! この映画は、突然亡くなってしまった一人息子が、彼氏と一緒にゲイバーを経営していたことを知ったスーパー保守派が多いアメリカ、テキサスの母ちゃんが、ゲイバーで働くドラァグクイーンたちと一緒に潰れかけのゲイバーを再生させようとする姿を描いた超感動作! ドラァグクイーンのみな様にも最前列で観てもらったのですが、会場の方々と同じように涙をちょちょぎらせながら鑑賞しておりました。映画の上映後には、9人のドラァグクイーン全員が登壇するという前代未聞のトークショーも開催。

 ドラァグクイーンたちが思わず「なんか私たちが檻に入った危険な動物みたいね」と話すほど、前三列を開け、さらにマスクの上からフェイスシールドの着用をお願いするという超完全防御体制で観客の皆様には安全な状態でトークショーを楽しんでもらいました。トークショーでは、カミングアウトの問題など映画の中でも描かれているセクシュアルマイノリティーだからこそ感じている悩みをクイーンのみな様が話してくださり、観客の皆さんからは「当事者の声だからこそ、すごく現実的に聞けました」というご意見がたくさんありました。山あり谷ありの準備でしたが、何よりお客様のうれしそうな笑顔が見られて本当によかった!

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