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映画たて・よこ・ななめ見!

東日本大震災から10年、今だからこそ響く映画がある

映画たて・よこ・ななめ見!

 ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回のテーマは、村本が「ぜひ、観たい!」と熱望していた映画『国民の選択』。東日本大震災から10年という節目の年に、原発を描いたこちらの作品はどのように2人に映ったのでしょうか?(取材・文:森田真帆)

今回の映画は、3月5日公開の『国民の選択』です。

 原子力発電禁止の是非を国民投票で決めることになった架空の日本を舞台にしたドラマ。原子力発電所で働く主人公とその家族が、国民投票の実施をきっかけに問題に向き合っていく。監督は『共に歩く』『第九条』などの宮本正樹

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中川パラダイス開眼!奇跡みたいな事態に村本動揺

国民の選択
(C) 2021映画「国民の選択」製作委員会

村本大輔(以下、村本):東日本大震災から10年やし、ずっと観たかった映画だったから観ることができてめっちゃうれしかった。この映画はさすがにパラダイスには難しかったと思うわ。お前、絶対寝たやろ! 

中川パラダイス(以下、中川):いや、全然寝なかったで。めっちゃ、おもろかったわ

村本:え?

中川:めっちゃ、おもろかった! ほんまに最初から最後までちゃんと観た。今まで知らなかったこともたくさんあったし、勉強になったわ。原発に関してのデータとか、そういうのも細かく出てきたし、そうなんやなって思うところがたくさんあった。この監督、きっとすごいリサーチしたんやろなぁって思ったしな。

村本:お前どうしたんや! 何があったんや! 今まで血みどろの変な映画しか好きって言わなかったお前が、この映画をおもろいって言うなんてびっくりやわ。

国民の選択
(C) 2021映画「国民の選択」製作委員会

中川:フツーにおもろかったわ。

村本:本当は観てないんちゃう?

中川:観たわ! なんか赤ちゃんできた男の人いたやん。うちも息子おるし、未来のためにもちゃんと原発のこと考えなあかんわと思った。

村本:ほんまにどーしたんや、お前! 原発、別にえーやんって言ってた男が! まさかお前、反対派になったか!

中川:うん。もう反対派やわ

村本:怖ぁ。逆に怖すぎて、この映画が怖くなった。おとんを原発反対派にするよりも中川を反対派にする方がよっぽど恐ろしいわ

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原発の町に生まれた村本だからこそ感じた共感

国民の選択
(C) 2021映画「国民の選択」製作委員会

村本:オレがこの映画で一番共感できたのはさ、主人公が住んでいるのが原発の町ってところ。オレの実家は福井なんやけど、ほんまにあんな感じで原発がなくなったら、それはそれで困る人が多いからすごいリアルやったわ

中川:映画の中で原発がいるかいらないかってことで、大ゲンカするシーンあるやん。ああいうことってやっぱりある?

村本:あるある。オレなんて原発に対して反対の立場で自分の独演会とかで話したりするやん。「あんなこと言うな!」って言ってくるヤツとか多いねん。みんなこの映画の中のお父さんみたいな人が多くて、原発が及ぼす影響よりも、目の前の原発が大事。その原発がなくなってしまったら仕事がなくなるとか金がなくなるとか、いろんな事情が絡んでくるからな。

国民の選択
(C) 2021映画「国民の選択」製作委員会

中川:やっぱりさ、原発の町ってそれなりにいいことがあったりするん?

村本:なんか原発が建設されたときに、原発の記念館とかうみんぴあっていう宿泊施設ができたりしてたわ。

中川:あ、うみんぴあは僕も行ったことある。キレイなとこやったよね。

村本:そうそう。原発がオレの街のシンボルやから!

中川:僕の周りで実際に原発のある街に住んでいるのって、村本くらいやもんな。だからあの原発いるとかいらんとかでめっちゃケンカしているシーンもおもろいなぁ、この監督さんかなり調べたんやろなとか考えたわ。例えば、原発が海岸線にできるっていうことの理由なんかも知らんかったし。

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原発推進派から反対派へ!中川の意識改革

国民の選択
(C) 2021映画「国民の選択」製作委員会

中川:この映画ってやっぱり東日本大震災から10年っていう節目の年だから作られたんよな。正直、2、3年前にこの映画観ていたら全然響かなかったかもしれへんわ。でもなんか、今だからこそめっちゃ響いたというか。絶対に原発いらんわって思った。

村本:お前なぁ、オレが何年前から原発の話をしていたと思ってんねん。そっちは長年聞いていたのに何も思わんで、この映画一本でそこまで意識改革されたってどういうことやねん。

中川:いや、めっちゃわかりやすいやんこの映画。図が出てきたりさ、地図がちゃんと出てきたり、僕もなんか調べたいなって思うことあるけど、自分で全部それを調べろってなると大変やん。でもこの映画はちゃんとその知りたいことをまとめてくれているからすごいなぁって思った。最後のエンドロールで文献みたいなの出てきたやん。それにも興味持ったわ。

国民の選択
(C) 2021映画「国民の選択」製作委員会

村本:あのパラダイスがここまで変わるとは! お前、原発なんかほんまにどうでもええってヤツやったやんけ

中川:まぁ、とはいえ何かアクション取れって言われても取らんけどな

村本:そっちは取らんのやな。

中川:そやねん。原発反対か賛成かって聞かれたら、反対って言えるけど、だからといってなんかデモに参加しようとかそういう行動を起こすというか、アクションを取るとかそういうのは考えられへん。

村本:いやお前、ウーマンラッシュアワーは日本で一番原発に対して漫才でアクション取ってる芸人なのに! もう数年前からアクション取ってきてるわ!

中川:まぁ、漫才ならええけどな。

村本:やっといつもの中川が帰ってきて、ちょっと安心してるわ(笑)!

※記事内容には個人の意見が含まれています。

『国民の選択』3月5日公開
映画『国民の選択』公式サイト
(C) 2021映画「国民の選択」製作委員会

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ウーマンラッシュアワー・プロフィール

2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。

村本大輔
1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。

村本大輔ツイッター

中川パラダイス
1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。

中川パラダイスツイッター

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