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森田剛~圧倒的なカリスマ性 鋭い感性で役の本質をつかみ、表現する天才肌

銀幕のジャニーズ

 映画で活躍する銀幕ジャニーズの俳優としての面にフォーカスして、デビュー作から最新作まで、どんな俳優なのかを見ていきます。第16回は、V6森田剛。(文・新亜希子)

 1995年、V6のメンバーとしてCDデビュー。数々のドラマに出演。舞台作品における評価も高く、2011年には主演舞台「金閣寺」のニューヨーク公演も行われた。2016年公開の映画『ヒメアノ~ル』にて映画単独初主演。R15+指定となった本作での森田の怪演が話題となり大きな注目を浴びた。

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映画デビュー作:『COSMIC RESCUE - The Moonlight Generations -』(2003年7月11日公開)南條俊役(当時24歳)

 Coming Century(森田、三宅健岡田准一)主演映画。V6が主題歌、Coming Century が挿入歌を担当した。元女優・堀北真希のデビュー作としても知られる。2053年の近未来を舞台としたSF青春ムービーと銘打たれており、視覚効果が駆使された映像も話題となった。森田演じる南條は宇宙でのさまざまなトラブルから人々を守る「コスミック・レスキュー(CR)」のキャプテンであり、伝説のCRクルー。

ドラマデビュー作:「半熟卵」(1994年10月21日 - 12月16日)中井順役(当時15歳)

 フジテレビ系列で放送された連続ドラマ。夫を病で亡くすも、明るさを失わない元気な母親(篠ひろ子)と娘三人、女ばかりの家族が繰り広げるコメディー。森田は、三女・菜生(ともさかりえ)のボーイフレンドを演じた。

映画俳優としての主な活躍:

 「天才」。森田剛という俳優を形容するにあたり、このワードを避けては通れない。「森田剛の芝居はすごい」と多くの人が一度は耳にしたことがあるはずだ。

 近年は舞台での活躍が目立つが、その存在感と演技力は、スクリーンを隔ててもビシビシと伝わる。10代から20代前半にかけてはテレビドラマの主演もつとめたが、2002年「ランチの女王」の矢崎修史役は、森田の芝居の底知れなさが世間に知れ渡ったひとつの転機といえる。数話のみの出演ながら、視聴者に強烈なインパクトを与えた。

 映画出演本数は5本、うち個人での出演は2本。『人間失格』では、助演として抑えた演技を見せながらも、どこか色気のある不思議な魅力で印象を残した。唯一の単独主演作である『ヒメアノ~ル』では、その狂気の芝居で観る者すべてを圧倒。バイオレンスよりもその奥深く、演じた森田正一の心のなかに触れるような作品だった。内に秘めた感情、今にも爆発しそうなギリギリの線、そういうものを演じる森田の芝居には、引きずりこまれるような感覚がある。

 一見クールに見える森田だが、端的だが独特な言葉選びからは、カンの鋭さはもちろん、感受性の強さや優しさが伝わる。森田にしか見えていない世界、寄り添えない役の本質があるのかもしれない。

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最新作『ヒメアノ~ル』(2016年5月28日公開)森田正一役

 森田にとって初の映画単独主演作。古谷実による同名人気漫画を原作としているが、複数の点において改変が成されており、とくにラストは大きく異なる。森田演じる森田正一はサイコキラーであり、生々しい暴力・殺害シーン、性描写があることから、公開時はR15+指定とされた。しかし「単なるバイオレンス映画ではない」と受け取るファンは多く、ラストシーンでの森田の台詞には「泣けた」といった声もあがった。

 平凡な青年・岡田(濱田岳)は、同僚の先輩である安藤(ムロツヨシ)から、カフェ店員・ユカ(佐津川愛美)とのキューピッド役を頼まれる。ユカが働くカフェで会ったのは、高校時代の同級生・森田。そのときには少し会話を交わす程度だったが、岡田はユカから「森田にストーキングされている」と相談を受け、調査をすることに。

 ほんわかとした恋愛映画に、「ストーカー」という異質な要素がほんの少し混じってはいるように思えるプロローグ。しかし、ある出来事を機に“ほんとうのストーリー”が始まり、『ヒメアノ~ル』のタイトルが登場する斬新な演出が話題になった。前後半では撮影手法も異なり、まるで途中から映画が替わったのかと錯覚するほど。とにかく、他に類を見ない唯一無二の作品である。

フィルモグラフィー(映画)

COSMIC RESCUE - The Moonlight Generations -』(2003年7月11日公開)南條俊役(全編、宇宙を舞台に描いた近未来的作品)

『ハードラックヒーロー』(2003年9月28日公開) 藤田ケンジ役(脚本はV6のために書き下ろされた。グループ初主演映画)

ホールドアップダウン』(2005年10月28日公開)平松勝役(元牧師のトラック運転手役。主題歌はV6「Orange」)

『人間失格』(2010年2月20日公開)中原中也役(主人公・葉蔵に影響を与える人物。原作には登場しない)

『ヒメアノ~ル』(2016年5月28日公開)森田正一役(ラストシーンが好きで、それがあったからこそ出演したいと思った、という旨をパンフレットで述べている)

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フィルモグラフィー(ドラマ)

「半熟卵」(1994年10月21日 - 12月16日)中井順役

「八代将軍 吉宗」(1995年3月12日 - 3月19日)安貞役

「毎度おジャマしまぁす」(1995年4月11日 - 6月27日) 天地啓介役

「ミラクル 仮面高校生」(1995年7月4日 - 7月11日)影山洋平役

「Vの炎」(1995年10月9日 ‐ 11月2日)森田剛役

「ザ・シェフ」(1995年10月21日 - 12月16日)松本剛役

「シャドウ商会 変奇郎」(1996年3月18日)変奇郎役

「毛利元就」(1997年1月12日 - 2月9日)松寿丸役

「毛利元就」(1997年11月16日 - 12月14日)幸鶴丸/毛利輝元役

「ひとつ屋根の下2」(1997年6月2日 - 6月30日) 望月章吾役

「PU-PU-PU-」(1998年10月9日 - 12月18日)丹下隼人役

「新・俺たちの旅Ver.1999」(1999年7月3日 - 9月11日)津村浩介役

「疾風のように」(1999年10月2日)水島一樹役

「月下の棋士」(2000年1月17日 - 3月13日)氷室将介役

「嫁はミツボシ。」(2001年4月11日 - 6月20日)新庄悟役

「君を見上げて」(2002年2月19日 - 3月12日)高野章二役

「ランチの女王」(2002年8月12日 - 9月16日)矢崎修史役

「演技者。『マシーン日記』」(2003年7月22日 - 8月12日)ミチオ役

「劇団演技者。『激情』」(2004年10月19日 - 11月16日)菅原裕一役

「零のかなたへ ~THE WINDS OF GOD~」(2005年9月10日)袋金太、福元貴士役

「喰いタン」(2006年1月14日 - 3月11日)野田涼介役

「喰いタン特別版 ~香港ぜんぶ食べちゃうぞ編~」(2006年9月30日)野田涼介役

「喰いタン2」(2007年4月14日 - 6月23日)野田涼介役

「平清盛」(2012年1月8日 - 12月23日)平時忠役

「リスクの神様」(2015年7月8日 - 9月16日)結城実役

「ハロー張りネズミ」(2017年7月14日 - 9月15日)木暮久作

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