ADVERTISEMENT

まだ間に合う!ドラマ「相棒」徹底予習【歴代相棒、キャラ紹介】

 水谷豊が主演を務める国民的刑事ドラマ「相棒」が、10月12日よりseason21に突入する。面白そうだから観てみようと思っても、21シーズン分のエピソード数にしり込みしてしまうかもしれない。ここでは、シリーズを全く観たことがない人でも「相棒season21」の初回放送が楽しめるように、作品の魅力や主要キャラクターの紹介など、初心者向きのポイントを解説していく。(文・構成:早川あゆみ)

■はじまりは2時間ドラマ

 「相棒」は2時間ドラマ(pre season)として2000年に始まり、3本作られたところで好評のためシリーズ化。season1だけ1クール(3か月)だが、あとはずっと2クールで、毎年10月から翌年3月まで半年間かけて放送される。基本は1話1時間で完結するが、初回と最終話、そして元日に長時間スペシャルが制作されるのが定番だ。

 原作は無く、ドラマ「お熱いのがお好き?」(1998)や「菊次郎とさき」(2003~2007)などの脚本家・輿水泰弘が骨子を作り、以降、多くの脚本家が書きつづっている。

 当初から、そのユニークで個性的なキャラクター造形と、二転三転する深みのある物語は話題になっていたが、一般に広くその面白さが知れ渡ったのは、season6と7の間に公開された映画『相棒-劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン』(2008)からだろう。以降、3本の劇場版と2本のスピンオフ映画が製作されている。

ADVERTISEMENT

■杉下右京と特命係

 主演の水谷が演じるのは、英国紳士風のいでたちの杉下右京(すぎした・うきょう)警部。「警視庁の陸の孤島」と称される窓際部署「特命係」に追いやられたキャリア警察官だ。豊富な知識と抜群の推理力によって多くの事件の謎を解いているが、切れ者すぎて上層部に嫌われ、島流しにされた。

 本来なら特命係には捜査権はなく、事件に関わることはできないのだが、持ち前の好奇心や正義感、そして見捨てられた部署ゆえの自由さを駆使して、事件の捜査に乗り出している。

■初代&5代目相棒の亀山薫

 もともと特命係は、右京のエキセントリックな性格ゆえに下についた人間が次々と辞める「人材の墓場」と呼ばれていた。寺脇康文ふんする亀山薫(かめやま・かおる)が、失態を犯して捜査一課から左遷されてきたのはそんなとき。お人よしで熱血漢の薫は、最初こそ反発したものの徐々に右京を理解し、息の合った相棒として長く傍らにあった。

 薫が特命係を離れたのはseason7第9話。旧友の遺志を継いで、子どもたちに正義を教えるためサルウィン(劇中の架空の国、東南アジアという設定)に旅立った。season21で14年ぶりに右京の相棒に復帰するが、警察を辞めている彼がどういう立場になるのかは不明である。

ADVERTISEMENT

■歴代相棒の変遷

 2代目の相棒となったのは、及川光博演じる神戸尊(かんべ・たける)。season7最終話で登場したスタイリッシュな彼は、「お言葉ですが」と右京に物申す秀才タイプで、当初は上層部の命で右京をスパイしていた。season10最終話にて古巣の警察庁に異動したものの、以降も折に触れて右京のもとに姿を見せている。

 3代目は、右京までもが「カイトくん」と愛称で呼んでいた歴代最年少の甲斐享(かい・とおる)で、演じていたのは成宮寛貴。父である警察庁次長(当時)の甲斐峯秋(石坂浩二)に反抗して所轄にいたが、右京に指名されて特命係に配属になった。season13最終話で衝撃の事実が発覚、懲戒免職となっている。

 4代目にして、現在、右京の相棒として歴代最長の登場記録を保持しているのは、反町隆史演じる冠城亘(かぶらぎ・わたる)だ。人事交流で法務省からやってきたキャリア官僚だったが、警察官に転身。クールさと茶目っ気が同居する彼は、season20最終話、公安調査庁への異動を決意。「来るものは拒まず去る者は追わず」だった右京に唯一、慰留された相棒だ。

■脇を固める個性派たち

 ここでは、season21第1話の予告映像に登場しているレギュラーキャストとセミレギュラーを紹介する。

 元帝都新聞社会部の記者で、後にフリージャーナリストになった亀山美和子鈴木砂羽)は薫の妻。長い同棲の後にseason4で結婚、ともにサルウィンへ旅立っていた。

 特命係を煙たく思う捜査一課の伊丹憲一川原和久)は、薫のライバル的存在だ。「特命係の亀山~」という嫌味な呼びかけとそのバリエーションは彼の代名詞ともいえる。また、その相方の芹沢慶二山中崇史)は薫と伊丹の後輩。もう1人の出雲麗音篠原ゆき子)はseason19からの登場なので、薫とは初対面となる。

 片山雛子木村佳乃)はseason3から断続的に登場しているお馴染みキャラクターで、衆議院議員だが尼になったことも。しなやかでしたたかな野心家である。

 息子・享の事件で降格されて警察庁長官官房付となった峯秋は、いまは特命係の直属の上司。また、警視庁副総監の衣笠藤治杉本哲太)、内閣情報官・社美彌子仲間由紀恵)、衆議院議員・国家公安委員長の鑓鞍兵衛柄本明)らは、特命係とは数々の因縁を持つクセ者たち。4人は薫と面識がないので、どんな対面を果たすのか……。

ADVERTISEMENT

■魅力はキャラクター性と物語性の深み

 「相棒」は、刑事ドラマとしてのミステリー的仕掛けの面白さはもちろん、取り調べの可視化や裁判員裁判、企業や政治の腐敗などの時事問題を素早くとりいれる社会派的視点が大きな魅力である。同時に、キャラクターの明確さと多様さが、コミカルとシリアスのバランスの妙を生み出し、楽しく観られる雰囲気を醸し出している。

 12日放送のseason21初回は、サルウィン親善使節団の反政府活動のリーダーが命を狙われ、旅客機爆破予告がなされるドラマチックでシリアスな内容だが、右京と薫のキャラクター性が際立つ再会シーンは予告だけでも印象深い。これまで培ってきた「相棒」の特徴をふまえたうえでの、さらなる進化と深化が感じられるに違いない。

「相棒season21」テレビ朝日系にて10月12日よる9時スタート

(C)テレビ朝日

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT