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「テイルズ・オブ・ザ・ウォーキング・デッド」第2話:驚がく!「TWD」の世界でまさかの超常現象

今週のウォーキング・デッド

 海外ドラマ「ウォーキング・デッド」の1話完結型となるアンソロジーシリーズ「テイルズ・オブ・ザ・ウォーキング・デッド」。第2話「ブレアとジーナ」は驚がくの展開! 「ウォーキング・デッド」の世界で予想外の超常現象が起こる!(文・平沢薫)

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「テイルズ・オブ・ザ・ウォーキング・デッド」第2話をまだ観ていない方はご注意ください。

まさか、ここでタイムループに出会うとは

 タイムループとは、同じ時間がループのように何度も繰り返すこと。このモチーフを使った人気映画は多く、代表的なのはビル・マーレイ演じる人気天気予報士が、何度も同じ時間を繰り返しながら、自分の欠点を反省して恋も成就させる恋はデジャ・ブ(1994)。近年でも、トム・クルーズ演じる兵士が戦闘での死を繰り返すオール・ユー・ニード・イズ・キル(2014)、女子大生が殺される日を繰り返して殺人鬼と戦うハッピー・デス・デイ(2017)などヒット映画も多い。しかし、それが「ウォーキング・デッド」の世界で起きるとは予想していなかった。やはり、このスピンオフは予想外の展開で楽しませてくれる。

 今回の時間軸は、ウォーカーが出現し始めたばかりで、まだ人々が状況について半信半疑な頃。場所は、本家シリーズのシーズン1と同じアトランタ。しかも小さな保険代理店という、ものすごく日常的な場所。そこで働く、社員たちに嫌われている支店長ブレア(パーカー・ポージー)と、彼女に不満な社員ジーナ(ジリアン・ベル)が、一緒に死んでしまうタイムループを体験することになる。

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衝撃の展開、制作陣の意図は?

 この斬新な展開について、企画/製作総指揮を務めるチャニング・パウエルが、Entertainment Weekly のインタビューで語っている。ちなみにパウエルは、「ウォーキング・デッド」シリーズにおけるベテランで、本家シリーズのシーズン4~10、「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」シーズン6~7の製作・脚本に参加してきた人物。今回の脚本家はシリーズの新顔、ドラマ「リミットレス」のカリ・ドレイクだが、発想はパウエルのものだったようだ。

 彼はずっとこのシリーズの脚本を描きながら「ウォーカーが存在する世界なのだから、他にも超自然的な現象が起きてもいいのではないか」と考えていたそう。同時に、この世界の領域を押し広げたい、何か新しいことをやりたいとも思っていた。そこで発想したのが、タイムループだったという。もう一つ、彼が大好きなダーク・コメディーにも挑戦したかったそうで、その要素も加えている。

 とはいえ、ずっとこの世界を描いてきたパウエルらしく、「ウォーキング・デッド」らしい人間ドラマも意識している。「どのエピソードもそうだけど、それぞれの人物が、世界の終わりに直面したら、そのとき、どう行動するのか、そこに興味がある。その時には、誰もが自分自身も驚くような行動をするんじゃないか、と思うんだ」

 そして、それを一つのエピソードにまとめた。「超常的なことが起きるから、ありふれた日常の中で描きたいと思った。いつものオフィスで、仲の悪い同僚と一緒に世界の終わりに直面したら、どうなるだろう? 自分自身について何を発見するだろう? いろんなアイデアが湧いてきた」とパウエルは言う。こうして生まれたのが、今回のユニークすぎるエピソードなのだ。

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どこかで聞いたことある用語が!

 そんな異色ストーリーを支える主演の2人は、直近の話題作にも出演している。上司ブレア役のパーカー・ポージーは、アリ・アスター監督の最新作『ボーは恐れている』(2023)でも強烈な役柄で出演。ドラマ「ロスト・イン・スペース」シーズン1~3(2018~2021)の悪役ドクター・スミス役でもおなじみ。社員ジーナ役のジリアン・ベルは、エディ・マーフィ主演のクリスマス映画『キャンディ・ケイン・レーン』(2023)では意地悪な妖精役。『21ジャンプストリート』(2014)でのジョナ・ヒルとの殴り合いシーンも話題を集めたコメディエンヌだ。

 そして「おや、これは?」と思う用語が、ラスト付近、ジーナがブレアに言うセリフに登場。彼女は「あなたはパーソナリティー障害で、妄想を私にうつした。読んだことがある、“感応精神病”よ」というが、この感応精神病は、英語音声ではフォリアドゥ(仏:Folie a deux、フランス語で二人狂い)。これは、ホアキン・フェニックス主演の大ヒット映画『ジョーカー』の続編『ジョーカー:フォリアドゥ(原題)/Joker: Folie A Deux』のサブタイトルになっている用語だ。このタイトルをトッド・フィリップス監督がSNSで発表して話題をさらったのが、2022年5月18日。今回のエピソードが全米放送されたのが2022年8月14日。ひょっとして、あえてこの注目の単語をセリフに入れた可能性もある? それともただの偶然? そんなことを考えるのも楽しい。

「テイルズ・オブ・ザ・ウォーキング・デッド」はU-NEXTで独占配信中

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