『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』の海外での評価はいったいどのようなものなのでしょう。公開してから大ヒットを続けるアメリカでの評価をアメリカ在住の記者にまとめてもらいました。
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封切り前から「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズと比較された『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』だが、アメリカでは「ナルニア国物語」の方が子ども向きで、小さな子も含め、家族全員で楽しめる映画だと評されている。批評によっては『ロ−ド・オブ・ザ・リング・ジュニア』と読んでいる記事もあるが、これは、C.S.ルイスの原作が子供向けに執筆されていたためで、原作に忠実な本作品も、子どもにわかりやすく描かれているからだといえる。
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アンドリュー・アダムソン監督の実写デビュー作は、アクション満載のおとぎ話。子役たちの活躍もすごいが、それ以上に注目すべきは撮影技術と特殊効果の素晴らしさだ。CGで実現したアスランなどのキャラクターは非常に美しく、俳優たちの声で命を吹き込まれている。物語中盤の中だる感もいなめないが、さまざまな生き物の登場に、たちまちまたスクリーンにくぎ付けに。大人も子ども楽しめる魔法のストーリーといっていい。
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C.S.ルイスの原作は旧約聖書を念頭に書かれたもので、宗教色が強すぎるとの批評も多い。キリスト教団体はこぞって映画を推奨し、その他の宗教団体は映画をボイコットするよう呼びかけるほど。アスランが自らを犠牲にした死とその復活がキリストを象徴しているのは明らかかもしれないが、多くの子どもは素直にストーリーを受け入れるだろう。「ナルニア国物語」を読んで育った人にとっては、宗教色に対する懸念よりも、原作にいかに忠実に作られているかの方が気がかりなところ。その点では、全く心配の必要がない。
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原作ではあまり詳しく描かれていない戦闘シーンを、アダムソン監督は大々的に繰り広げている。ニュージーランドの壮大さが感じられる素晴らしい映像に仕上がっているが、小さい子どもを連れて行く人は注意が必要かもしれない。実際に血が流れるところは見せないながらも、戦闘シーンやアスランの死などは小さな子どもにとってインパクトが強すぎる可能性がある。しかし、これらの怖い、悲しい部分があるからこそ、ナルニアの魔法を体験できるのだ。
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原作で短く、簡単に説明されていたナルニアの世界がリアルな映像となって現れた。ナルニアの世界を実際に見ることができるうれしさだけでなく、俳優の活躍も素晴らしい。ティルダ・スウィントンは、おとぎ話とは思えないほど力強い悪を演じている。また、あたたかみとユーモアをもたらすタムナス役のジェームズ・マカヴォイにも注目だ。CGの動物たちも素晴らしい出来。アスランの声を担当したリアム・ニーソンは、少々聞きなれた声である気はするが、アスランに重みを与えている。
写真:Disney Pictures/Photofest//MediaVast Japan
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戦火を避け、疎開して来たカーク教授宅で不思議なことが…… |
どうです? この戦いっぷり! 女って怖いなぁと思います。 |
こんな優しいフリして……だまされちゃだめです! ああ、女ってコワイ! |
スーザンは弓矢を授かり、こわごわ矢を放ちますがだんだんと上達していきます。 |
ぞ~っ! こ、こわっ! 白い魔女に石にされた生き物たちです。 |
かわいい、かわいいルーシーがタンスの入り口を見つけます。 |
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